被害状況
渋谷の被害はすごかった。
渋谷の街が半壊状態であり、渋谷の象徴でもある707が奇跡的に無事、この災害はひどい。大地の勇者たちのスマホでテレビを見ると、渋谷の災害のニュースが報道されていた。
『えー、ドラゴンと思わしき生物は大地の勇者たちによって討伐されたとの報告が上がっております』
えー、大地の勇者の手柄になっちゃうのー?
まあいいんだけどさ。でも、この被害で復興するとなると結構な金額もかかるだろうし、逃げ切った人も住居とかの問題もあるし、なにより死んだ人もいるだろう。遺体を探す、復興する、となると何兆円かかって何年かかるのか。
「このドラゴンどこから来たのかしら…。私たちが通ってきたところ?」
「いや、それは考えにくい。あの入り口はニホン国軍務学校の中にあるんだしドラゴンが入ってきたとは考えにくい…。そういや前、魔物状態でワグマたち入ってきたよな? そこはどこと繋がってる?」
「えーと、魔の森の奥地よ。私たちもあまり足を踏み入れてなかったところ。でも、奥地はむしろじめじめしててドラゴンの魔物は少なかったわ」
「エコードラゴンの生息地はそこじゃねえしな…」
となると、妙来神社からというのも考えにくい。
こう、異界につながる穴レーダーというのがあれば手っ取り早いんだがそんなの開発できるのカイハぐらいしか…。
ああ、カイハに頼めばいい…いや、でもそれを作ったとしても結局は手当たり次第歩かなくちゃいけないからな…。そもそもカイハはレーダーというものを知らないだろうし。
「さて、どうやって穴を見つけっかなぁ…。そういう事件でも起きてたらいいんだけどこの前目を通した時それっぽい事件はない。しいて言うなら犬がどこかにいった事件なんだけどあれは来る穴じゃないしな…」
「お前らぁ! 無事か!」
と、パトカーに乗ってやってきたのは空知と日下部。
「すごい被害だね…。私の家無事かなぁ」
「あんたの家は千代田区だろ。千代田区は被害ゼロだ。渋谷だけが狙われていたらしい」
「渋谷だけっていうのがまた気になる。もしかして渋谷に何かある…? いや、違うな。たぶんエコードラゴンが出てきたゲートは渋谷にあるんだろう…。でも一日で渋谷だけが半壊っていうのも違和感がある。あんな破壊力があるなら一日で破壊できるんじゃ…。いや、それは私たちが帰ってくる少し前に出現したのか…。となると、この近くにあるはず…」
この近くにはなんと妙来神社がある。
…いや、妙来神社から来たということか。だが、魔の森の奥地にはドラゴンがいるなんて言う話は耳にしたことないし、エコードラゴンは高い山などに生息すると図鑑には載ってあった。それ自体が間違いなのかもしれないな。
考えてみればわかる。奥地は涼しい。そして、声に優しいじめじめ。いい場所だろう。となると、私が前に踏み入れた時などには偶然見なかっただけで生息していたのかもしれないな。
とりあえず妙来神社までいって穴を塞ごう。
「日下部さーん。とりあえず妙来神社まで送って」
「…わかった。なんかあるのか?」
「異世界に通じる穴」
「…塞いでなかったのか」
「うん。塞ぎ方知らなかったし」
ということで妙来神社へゴー!




