シャドウ魔王軍…?
私はとりあえず妙来神社に行ってみることにした。
警察官の人に妙来神社の場所を聞いて、警察官も一緒に行くということで妙来神社にやってきたわけだが。
広い境内にはぽつんと小さな社があり、微か…どころか、強い魔力を感じる。
すると、突然空間が歪んでいく…。
「な、なんだ! ふ、不思議な感覚だ…」
「気を強く持って! 何か来る」
私はその空間が歪んでいる中心を見つめると、なにやら黒い影が現れた。
そして、その影はふふっと笑う。だがその姿は見たことがあった。いや、見たことがありすぎるのだ。
ビャクロ…。なぜビャクロがここにいる? ビャクロの影…。なぜここにある。
「この世界は我々魔王軍が頂く!」
「ビャクロ…」
「誰だ貴様は」
「……え、ビャクロとマジでやんの」
私はなぜビャクロが来たのかを問い詰めたいが…。
まず先に戦う流れらしい。正直言って真正面から堂々と勝てるわけがないんだが。お得意の頭を使って戦わないと勝てないだろう。
警察官を下がらせる。さすがにビャクロ自身は…。と思っていると、また一人現れた。
「ビャクロ、なんでとどまっているの。さっさと侵略しちゃいなさい」
「ワグマ…?」
「あら、私の名前を知っているのね。私はあなたのことを知らないけれど」
「…あとで二人を問い詰める必要があるな。あっちの世界で何かやったな?」
二体一。
流石の私でもきついぞ。レブルを呼びたいが…。たしか今日の職場は…。
「警察官! 代々木公園の近くの工事現場にレブルってやつがいるんだ。連れてきて!」
「え」
「いいから! 緊急事態だ! この世界がどうなってもいいのか!」
私はそう急かすと急いで向かっていた。
「この世界は魔王軍が頂くわ! まずはあなたから始末しましょうか!」
「私だって魔王軍だっての! 正規のな!」
「…名前は」
「パンドラ! お前らにとっては知らない相手だろうよ!」
あの二人で何かしたからこそ二人が現れたのだ。
現に、私自身が現れていないのが証拠。それに、私の顔を見てピンと来ていない、ということは私のことが分かってない。
私のシャドウがまたいるのならわかっているはずなのだ。
「場所的に考えてレブルが来るのは十分後とみていいかもな。それまでこの二人を通さないようにすりゃいいって…」
さすがにこの二人は私が相手してもきつい。
「やる気なのかしら? 私たちに勝てると思って?」
「そりゃ勝てるさ。私はあんたらのことは熟知してるから」
「……やってみろ!」
と、先制で殴りかかってくる。
本家ビャクロ同様なら…。と、少し観察していると気まずそうに顔をかいているワグマが見えた。私はちょっとわかってしまった。
「あんたら悪役の振りしてんじゃねえ!」
と、私はぶん殴ったのだった。




