日本の事を報告
この日本のお金がない。
ホームレスとなるしかないのだろうが……。レブルは意気揚々としていた。見たこともないものばかりだからそりゃそうだろうと……。
「渋谷あたりは私も行ったことないから土地勘全然ないんだよなぁ」
東京はよくいくが葛飾とか下町方面が多い。ワグマなら多分案内できるぐらいには言ったことあると思うしワグマも連れてけばいいと思ったけど……。
すると、ワグマからフレンドメッセージが届いていた。
『パンドラ、今どこにいるの? クエストに誘おうと思ってたのだけれど』
どう返すべきか。
とりあえずありのまま伝えよう。
「ごめん、クエストには行けません。今、日本にいます」
『ニホン国? すぐ近くじゃない。それぐらいなら帰ってこれない?』
「詳しく言うと渋谷にいる」
『…は? 現実にログアウト…いや、ログアウトしてたら返せないか。渋谷っていう土地ないけど』
「だから日本にいるの」
『……?』
しょうがない。スクショ送るか。
私はスクショを送ると、ワグマの返信は『!?!?』だけだった。
「ね? 日本にいるの」
『ど、どうやって…っていうか、現実にそのままでいくなんて…』
「ゲーム世界の日本だよ。現実じゃない。店名とかちょっと違うでしょ」
『た、たしかに…。でもどうやって…』
「それは秘密」
こういう謎ときは自分で解いた方が面白い。
とりあえずワグマには報告を済ませたし、とりあえず通貨を手に入れなきゃ。履歴書もなしに雇ってくれるところはないだろうし、その履歴書を買うお金もないし。
どこかにお邪魔できないものかね? と考えていると、先ほどの男子高校生がこちらに走ってきていた。
「あ、あのー!」
「さっきの人ですよ師匠」
「しぶといな」
「敵、ですか?」
「冗談だから構えないの…。すぐ死んじゃうから」
息を切らして追い付いてきた。
「あ、あの! もしかして、もしかしてですけど、異世界からきた人ですか?」
「師匠、異世界とは?」
「私たちがいた世界のことだよ。ここと異なる世界…」
「じゃあ異世界ですね!」
「やっぱり! 異世界は本当にあるんですね! ライトノベルだけじゃなかったんだ!」
ああ、こいつライトノベルに入れ込むやつだ。異世界とか信じちゃうタイプ。
「その鎧と剣…。トラックを止める力と耐久力…。この世界の人じゃないと一目でわかっちゃいましたよ! 俺の家にいって話しませんか!」
「師匠、どうします?」
「行く当てもないしいこっか。とりあえず君の名前は?」
「俺は榊 大輔です!」
「ダイスケ! 私はレブルです!」
「私パンドラね」
私たちは榊の家にいくことになった。




