国立図書館にて
オールランド王国の国立図書館にいって、絵本を探していた。
だがしかし、続編は見つけることができなかった。よわいドラゴン…の続きが気になるが。だがしかし、1と出てるのに2がないということはまだ刊行されてないのだろうか。
レブルが子供の頃に読んでいたとなると少なくとも十年以上は前の作品。続刊が発売されていてもおかしくはない。
「こんだけ本があったら探すのも一苦労か」
「オールランド王国は大陸一の読書国家と言われておりますから。本で字を学ぶ人も多く、この国の識字率はほかの国よりダントツで多いんですよ」
「なるほど。そりゃこの量になるわ」
オールランド王国で刊行された全部の本を集めていますといっていたので読書国家のこの量ならば普通に納得がいく。
本当に多い。東京ドーム何個分だろ……。
「私も閉じ込められた時でも本だけは読めました。本以外の娯楽がなかったのもありますけど結構本は読みましたよ」
「一番面白かった本は?」
「私が一番好んで読んでたのは冒険譚です。なので一番というと悩みますが”海賊王ヴァルキングの秘宝”という本は好きでした」
ヴァルキング…。バイキング?
冒険ものか。たしかにレブルは好きそうだな。私はオールジャンルでいけるしどれも好きだけど一番好きな本はなぁ。決められないなぁ。
「逆に推理物は苦手でした。なんていうか、直感でこの人が犯人だってわかっちゃってつまんないっていうか…」
「それが逆に面白くない?」
推理物の醍醐味としては犯人を推測して読んで答え合わせをする。私もそういう風に読んでる。探偵の推理とかとほとんど正解するし、結構序盤の方で推測出来てるからいいのだが、一番ムカついた本だってある。
いや、本当に内容もくそなのだが、あるライトノベルはほんとに…。だって状況的に犯人はこの人しかいないよなーって思って読んでたら突然キャラが現れて現れた途端あなたが犯人だって言われてそれだけでも混乱するのに、前半で書いてた捜査パートとかまるっきり意味をなさないかのようにダイイングメッセージにはあなたの名前が書いてあったんですーとか言うし、それに推理も状況証拠ばっかで決定的な証拠がないし、とにかく推理が滅茶苦茶だし本当に駄作と言えるようなライトノベルは読み終わった後ぶん投げたよね。
よくあれで発売しようと思ったよ。
あのラノベは今でもちょっと腹立つ。すぐに売りに行ったよ。はした金にしかならなかったけど。
「この人が犯人だって思って読んでたらいきなり新しい奴が現れてそいつが犯人だっていうパターンだってあったから結構推測して読むのも面白いもんだよ」
「そ、そうなんですか…」
「いやー、ほんとにその推理ラノベはムカついたわー…」
「し、師匠!? とんでもない殺気が!?」
「あ、ああごめん」
と、私が適当に本を手に取ると、そこにはあの時に見たクソのラノベの作者の名前が彫ってあった。
私はそれを本棚に戻した。あの作者のライトノベルは絶対読まない。なんでゲームの中にまであの作者の名前を見なくちゃいけないんだよ。
※登場したライトノベルは実際にはありません。




