ヤヴァイ。マジヤヴァイ
ヤヴァイ。マジヤヴァイ。
ゲームたのしー! あははは!という変なテンションで遊んでたらまって、死にそう。私にも体力というものがあり、それがなくなったら死ぬんだけど……。
「なんで今に限って冒険者共が…?」
私は剣を持った冒険者に囲まれていた。
魔法をうつ構えになっているやつもいる。きっかけは先ほどだった。街に出かけたところ、一人の冒険者が魔物だと騒いでしまった。それが間違いだった。
彼自身も善人だったんだと思う。そして鑑定スキルを使ったはず。だから魔物だとバレ…。いや、この見た目なら絶対魔物だって思うわ。
そんなんで騒ぎになり、弁明しようにも無理だった。
四方八方囲まれている。四面楚歌。マジやばい。たすけて。
「……温厚にいきません?」
「だまれ魔物風情が!」
と、聞く耳持たず。
多分相手側に間違いはないだろうし、普通の反応だと思う。誰かがテイムしたモンスターとか言うならば近くに人がいるはずなので無理、というか、テイムしたモンスターは街ではだせないことがおおい。二角ウサギとかそういう可愛い小動物ぐらいしかだせないのだ。
で、私もそれでーすと言ってもいいとは思うけど如何せん知り合いがいない。
そこらへんで捕まえた人を契約者でーすと言っても無駄だろうし、相手も多分嫌がる。で、タケミカヅチとかももちろんいない。
助け船がない。いや、あるっちゃあるけどそれでも死ぬ可能性はある。
「……いや、私何もしないよ?」
「お前が何の魔物かは知れないが騙されないぞ」
「そうだよなぁ」
魔物の中には人間の言葉をしゃべり嘘をついて騙す魔物もいるという。
だから多分言葉の交渉は無駄だろうな。その前例がある以上信じてもらえる可能性はない。
私はダメもとでヘルプヘルプと運営にメッセージを送った。すると返信が返ってくる。
『今直ちに復旧中! どうにか耐えてくれ!』
んな無茶な!
私は思考を張り巡らせる。安全に逃げる方法は……。言葉での交渉も不可能、囲まれているため隙をついて…はビャクロならできるかもしれないが私には無理。体のスペックがまず足りない。
こう追い込まれているのではどうにも逃げれそうにない。袋のネズミ。
しょうがない! ここは賭けだ! 安全とは言えないが!
私は、口笛を吹いた。ピィィ~!と青空に響くと、空が突然暗くなる。きた。が、ここからが問題だ。
地面すれすれに飛んできたモル。私は急いで飛び乗ろうとするが、動くのを許さない。モルの威嚇にも臆しておらず、立ち向かっている。
私はモルに急いで乗っかり指示を出す。私はモルの羽毛に隠れた。堅い。
「モル、飛べ!」
モルは気高く鳴き、空へはばたいたのだった。
乗りこむ最中に魔法を打たれたらとか考えるとどうにも怖い。あっぶねえ。っていうかうってたし。たぶん乗り込むのがもう少し遅かったら被弾して乗り込めなかったかもしれない。
「モル、体力的にもきついかもしれないがこのまましばらく優雅に空の旅だ。冒険者は地上から追ってきてる。地面に降りたらやられてしまうから」
そういうと、モルは頷いた。
寡黙な子に育ったなぁ。




