うちの魔王軍、黒すぎ……?
当面の敵は第二王子とみて間違いないだろう……。
第二王子はきっと嘘の城の情報を見てニヤニヤ笑っている頃かな? エレメルに怪しまれない程度の嘘を混ぜ込んだ。
呑気に攻めてくる作戦を立ててくるがいいさ。
今の私には別の問題があるしな。
「で、本当に魔王軍に入りたいの?」
「ふぁい! 掃除でも何でもしますから!」
いやいやいや……。
掃除って言ってもな。掃除用具ないし。そもそも、戦えるかどうか疑問が浮かぶ。一から鍛えるというわけにはいかないのだ。
いかんせん、時間がない。アガルギルドに頼めば戦えない人から自分の身は護れる人ぐらいには行けそうだけど……。戦力にならないのなら意味がないのだ。
「戦えないでしょ君」
「…………」
「戦えるようになってから出直してきなさい」
「………ふぁい」
とぼとぼと帰っていった。
「よろしいんですの? 人間が頼ってきたのですよ? まぁ、弱いけど」
「いいんだよ。戦えない人間はいらないさ」
「鍛えればよろしいのではなくて?」
「時間が足りない。というか、割く人員がもったいない」
サユリ、アガルギルド、パライゾは私たちと日々手合わせや手ほどきをしているし、エリザベスとエディットは城の警備、サルタンとフォレトスは森の魔物の統治を担当させている。
割ける人員がそんなにいないのだ。
「賢者分裂しないかな」
「それは無理でございますわ……。サルタンならわかりませんが分裂できたとしても半分地から持っていかれるでしょうし分裂はダメかと……」
「だよねぇ」
人材不足です。魔王軍はブラック企業になり果てている。休日ないからな。あと、給料がない。私たちが払えるお金がない。
給料払えないとかブラックですらしないぞ。多分。
「ひょっとしてうちの魔王軍、黒すぎ……?」
「なに言ってるんですの?」
「いや、なんとなく」
ノリで。
「で、これからどうするんですの? この小さい領地で魔王領としてやってくつもりですか?」
「いや、いずれかは領土を広げたいと思ってるけど如何せん厄介なのが人なんだよな」
「人間はいつの時代も邪魔ですわね。絶滅させましょうか? ここには男が生まれなくなる薬がありましてそれを世界中にばらまけば男はいなくなり子孫繁栄も……」
「やめて……。想像したくない」
女の子しか生まれない女の子ワールドとか嫌だ。陰湿ないじめしかしないから厄介なんだよ。
男なら単純ないじめですむけど女子のいじめって陰湿だからなぁ。報復しようにもやりづらい。だから嫌なんだよ女性だけってのは……。
「ならこれはどうです? これを飲めば自身の体が膨張し爆発してしまうという……」
「うわグロそう」
っていうか変な薬ばっかだな!? 使いたいものがひとつもでてこないぞ。
「もっとましな薬ないの? 自身の能力があがるとかさ」
「そんな普通な薬つまらないんですの」
「えぇ……」
「もっとデンジャラスな薬を作る! っとここには魔物になる薬が……。あ、パンドラ様!? どこいくんですか!?」
あれだ。この人芸術は爆発だタイプの人だ。




