死、再び?
対峙するプレイヤーはまず一点狙いをすることにしたようだ。
というか、矛先は私。
私に向かって三人が攻撃をし始める。私はとりあえず弓矢を出して重装備の子に向けて一発放つと鎧を貫通し、そのままポリゴンと化して消えていく。
やっべえー! この武器超やべえ!
「作戦を立ててきたところで…無駄なんだよ!」
とその時だった。
僧侶が蘇生を使っていた。それはまずい。この弓の使用回数はあまり減らしたくないのに。私はとりあえず弓をしまう。
そして、脱兎のごとく逃げだした。
「ビャクロ! ワグマ! 頑張れ!」
「あんたも頑張りなさいよ!」
と、ワグマが剣で切りかかる戦士を大剣で受け止める。
ビャクロは魔法を放つ子にたいして距離を詰めるが、距離をどんどん放されている。ちょこまかと動き回り、ヒットアンドアウェイに近いような戦法だ。たしかに戦法的には悪くない。ワグマとビャクロにたいしては。
ワグマ自身攻撃の隙が多い。ビャクロは…まあ、逆にウザいと思っちゃうらしくちょっと不機嫌になる。
私は銃を構えると、その銃が何かによってはじかれた。
矢だ。
「も、もう一丁あるんだろ! 抜いてみろ! あんたの利き手は右利きとみた! 持ち替えなきゃ打てないだろ!」
「……さっきの雑談がここに生きるとは」
私は左手で拳銃を抜く。そしてそのまま引き金を引いた。
驚いたが、しっかりと矢を放ってくる弓兵の人。私は一発目を先ほどうった銃弾で相殺し、さらに続けて二発目をうつ。
二発目は足に当たった。弓兵の人は地面に座りこむ。
「ま、私は左も使えるんだよ。こういうシチュエーション、よく映画であるよね」
私は銃を構え距離を詰める。
弓矢を手にしようとするが銃弾でそれをはじいた。
「グルルさん! 危ない!」
「っと、そういや僧侶の存在がいたな。私たちにとって一番厄介なのは僧侶か」
「ひっ」
私は僧侶に銃を向ける。
その瞬間、立ち上がり弓矢を拾おうと走っていくがそちらに銃口を向け今度は肩をうつ。逃がすわけがないだろう。
「やっぱりパンドラが厄介だ!」
「あはは。これでも私は四天王の中で最弱だよ?」
「四人いねえじゃん!」
「おっ、ナイスツッコミ!」
私のボケに即座に反応してつっこむとはこの弓兵さてはツッコミ気質だな? 日常生活ではいじられキャラに違いない。いや、適当な憶測だけど。
「パンドラ! やべえ! そっちに向かってくぞ!」
「集中攻撃ってわけか」
相手の作戦は弓兵であわよくば私を倒せなくとも無力化できないかという作戦だったんだろう。だがそれは失敗に終わった。なら総出で素早く倒して次の魔王様に…ということだろうな。
ふぅん。作戦としては悪くもなければよくもない、博打感が否めない作戦だけど…。でも、判断が早いな。多分あの戦士がリーダー格。あの戦士の判断能力は早いといえる。
それに、指示の伝達が早い。もはや言わなくてもわかってる。
「…ここは敬意を表して素直に死ぬべき?」
「そうしてくれたら俺たちは助かる」
「そういわれるとあがきたくなるんだよなぁ」
私は僧侶に向けて銃弾をうった。
私はこの体力じゃ躱せない。と、その銃弾にめがけて矢が放たれている。うちおとしにかかると思っていたよ。
私は、剣で体を貫かれたのだった。その瞬間、一発の弾丸は矢で撃ち落とされた、が、二発撃っていた。そのもう一発の弾丸が僧侶の喉元に当たる。
「んじゃ、また負けた。あとよろしく」
「わざと負けた感じがあるわね…。ま、ほとんど私も見てるだけに近かったし戦うわよ」
ワグマたちが勝ったら私はまた復活するのかな?
その能力を買ってわざと負けた感じがある…。パン子さん何考えてるのかはさっぱりわからない…




