と、トイレしたい!
月乃と結局一緒に買い物をして晩御飯を食べて帰る最中だった。
「そういや、この街に心霊スポットあるよね」
「いかないわよ」
「いく?」
「いかないわよ! 呪われそうじゃない! ねえ!?」
呪われるって私自身幽霊はこの眼でしかと見たことあるし呪われるとは思わないんだけど。
でも、月乃気づいてるんだろうか? ここのショッピングモールもその一つだって。数年前にこのショッピングモールで殺人事件が起きたんだよ。その犯人はまだ見つかっていないらしい。
「こ、怖くなってトイレしたくなっちゃったじゃない……」
「ついていってあげよっか?」
「い、いいわよ。一人で」
「ふーん。そう」
実は、死体発見現場はこの階の東にある女子トイレの一番奥の女子トイレの個室なんだよね。現在の場所で一番近いのが出ると噂されているその女子トイレだ。
噂で言うと、夜底を利用すると女性がすすり泣く音が聞こえたりするという。月乃はそんなことも知らずに女子トイレにいくといっていく。
「月乃。最後にもっかいいうけどついていかなくて大丈夫?」
「し、しつこいわ。と、トイレくらい……」
「パン子が執拗についていこうということはおかしいんじゃないか?」
「そ、それもそう! 何か隠してない?」
「言っちゃう?」
「は、早く言いなさいよ!」
「実はここのトイレも心霊スポットの一部だったりす」
そう言い切る前に私の手を握る。
「一緒に来て」
「ね、だからついていこっかっていったでしょ。男子トイレだったら出ないらしいけど女子トイレは出るらしいからね」
なぜ曰く付きのトイレを放置して使っているかというと、こういうのは簡単に取り壊せないのだ。心霊スポットのものを壊そうとすると事故などが起きたりするし、むやみやたらに壊せないというのが現状。だからこそ手が出せない。
「白露もこういうのだめだっけ」
「ダメではないが苦手ではあるな」
「一緒に来る?」
「聞いていたら私もちょっといく。怖いもの見たさじゃなくてトイレがしたい」
というので、三人一緒に東トイレにいくことにしたのだった。
一応清掃はされているのか、綺麗なままだった。私は迷いもなく奥の個室に入ろうとすると、使用できませんという文字があった。
私は仕方ないので二人を待つことにした。
「ぱ、パン子、いるのよね!」
「いるよ」
それにしても結構人が来てるっていうのに誰も利用していないというのはおかしいな。
誰も入ってくる様子がなければ、清掃されてるってだけで使われてる形跡もない。トイレットペーパーは三角に折られたままだし……。
いくら心霊スポットだからって一度も使われない、というのは無理がある。さっき清掃したばかりということもあるか?だけど入ってこないもんなのか?
「…あ、もしかしてここほんとにマジで出る系か?」
と、気づいた瞬間、私は何者かに首を掴まれる。
息ができない。私の首を触ると冷たい手が背後から伸びている。私の背後はただの壁であり、だれもいることができないはずだ。
と、その瞬間だった。白い手がぼとりと地面に落ちて消える。
「げほっ……」
「パン子、どうしたの!?」
「いや、幽霊に首絞められただけ」
「ひいいいいいい!?」
「ま、なんか失敗に終わってるけど」
と、水が流れる音がして、白露が私に近づいてくる。
その瞬間、また私は肩を掴まれた。
「大丈夫か?」
「うん。なんとか」
「確かに少し指の後がくっきりついてるな」
「壁から手が伸びてきてさ」
というと、また水が流れる音がして、月乃が私と白露の手首を掴み走り出す。
「も、もう帰るわよ! 怖い! もう私は無理!」
「これからが面白そうなのに~」
「馬鹿言わないで頂戴! 私はあんたみたいに図太くないの! めっちゃ怖いの! 幽霊ってホントは無理なの!」
「ゲーム内はいいくせに」
「ゲームはゲームじゃない!」
とりあえず私たちはその場を去った。
サブタイはちょっとアレな展開を予想させるけどホラーという




