月乃と男が一緒に? ①
私は白露と一緒に買い物に来ていた。
白露が新しい靴が欲しいといっていたので買っているなか、ショッピングモールの三階にある店の前で私は考え事をしていた。
私は探偵じゃないからな。推理とかそういうのは別にどうでもいいんだが。
「まず整理しておくとヒルダさんは三つのことにかかわっている、四つ目は渡り廊下ということだ」
なぜ死んだのがヒルダさんだったのか。
偶然そこにいたからという可能性もなくはないだろうが、如何せん考えにくい。誰でもよかったというわけじゃないだろう。
ヒルダさんの理由はきっと名前のせいじゃないか? 時間帯を現してると考えていいかもしれないな。
昼だということがわかったとしてもだ。
まだ謎はある。いや、たぶん大半の七不思議は関係ないかもしれない。ただ四つだけというのも心細いというか、微妙なので足りない分を自分で増やしただけかもしれない。
いや、そもそも、だ。なぜ四つ目が変わった? 四つ目がなぜ渡り廊下から階段になったんだ? もしかして、四つ目に大事な謎がある、のか?
と考え込んでいると。
「パン子、あれって月乃じゃないか?」
「ん? あ、ほんとだ」
下の二階を覗き込むと月乃がいて……。その隣には男がいた。
「男と一緒だぞ」
「……ほう? 気になる?」
「気になるな」
「つける?」
「ああ。だが、すぐにばれそうだな」
「いや、私に任せろ」
私はある店とある店に直行した。
普段しないメイクを私たちに施し、服装も私がガチでコーディネートした。白露はきっとスカート嫌そうなのでデニムパンツを。ホットパンツでもいいがスポーツマンだから足でわかりそうだからだ。
私も私ですぐにばれそうである目の下のクマをメイクで隠し、慣れないスカートをはき、ブーツを履いている。めっちゃファッションに拘った。だがしかし、私はバカじゃない。もちろん、このショッピングモールに来そうな女子高生ってのをイメージして作った。
「またメイク……。っていうかパン子できるんだな……」
「ん? まあ、手先は器用なもんよ。勉強だけはしてたしぶっつけ本番だったけどできるもんだね」
ただ、私の財布はすっからかんになったけどな。
合計金額五万。痛い。めっちゃ服が高かった。女子の服って舐めてたよ。
「で、次に月乃の位置、だけど移動速度から分析して一階のここか、二階のここか、三階のここだな」
移動速度は男と話しながらということもあり遅かった。
で、私たちの準備にかかった時間を含めて考えるとおおよその位置はここだろうと考えたわけだ。単なる推測だから正確性はないけどな。
私が推測した位置に行こうと歩いているといた。ベンチに座って話しており、服屋の前だった。
私たちは服を探すふりをして月乃を見ている。
さぁ、月乃。私が本気で化かしてるんだ。気づくかな?




