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悪の魔王の作り方!  作者: 鳩胸 ぽっぽ
大人と高校生
401/648

悪夢が終わる解放の時

 ローキッスを連れて地下に戻る。


「カイハ! 魔力を溜める装置ってどこにあるかわかるか!」

「この設計図だとこの壁の中や!」

「了解!」


 壁をぶち壊すと中からフラスコみたいな形をしたものがあった。

 今は放出して空なのか中に何もない。私はローキッスをそのフラスコみたいなところにぶち込んだ。ローキッスはガラスをばんばんと叩く。


「どういうことか説明しいや! なんで俺いきなりこんなとこ閉じ込められんねん!」

「あんた神だろ! 膨大な量の魔力行くからそれ全部どうにかしてくれ!」

「はあああ!? いきなりなんや! 膨大な魔力!?」

「この国を滅ぼしかねない魔力。どうにかできるでしょ?」

「ま、まあできんことはないが……。先に言えや!」

「ごめん! でも急ぐんだ! 説明してる暇も惜しい! で、覚悟はいい?」

「わかった。これでも神や。今までの罪滅ぼしにならないかもしれんがやっちゃる」


 ローキッスは座る。


「カイハ! 魔力を集めろ!」

「信じるぞ! ローキッス様よ!」


 と、カイハがボタンを押したのだった。








 結果。

 大成功だった。ローキッスはさすがに疲れたのか地面に寝転がっている。カイハも疲れたのか、その場でへなへなと座りこんでいた。

 私とアデュランも壁にもたれかかる。


「や、やった! 終わった……」

「本当に問題はないんだよな? カイハ殿よ」

「あ、ああ。膨大な魔力はローキッス様がどうにかしたはずだぜ。ローキッス様に感謝しやがれってんだ……」

「こんな一気に来るとは思わへんて……。つ、疲れたぁ」


 地上はどうなっているんだろう。

 今確認しに行きたいが、気疲れのほうが強かった。すると、今まで気絶していたゴルフェル会長が目を覚まし、暴れだす。


「貴様ら! 残念だったな! 私はもう終わるんだ! なら、この国ごと……! って、あれ、精霊がっ……」

「ゴート・ゴルフェル殿。こんなことをしなければ罪はまだ軽かったかもしれないものを……。とはいえ、今の我々は捕まえる気力がない。しばらくそのままでいろ」

「なっ……!」

「あんたのやった装置、本当に悪夢を生みやがったな。この国を混乱に陥れやがって。国家反逆罪が起用されるか? 地獄いきおめでとさん。よかったね特等席だよ」

「なぁっ……」


 ゴルフェル会長はうなだれた。

 






 ☆ ★ ☆ ★



 レオンが窓から覗き込むと、魔物の姿は見えなくなっていた。

 その瞬間、王は膝から崩れ落ちた。他の人たちも歓喜のせいか、そのまま座りこんだ。もちろん歓喜に包まれたのは王だけではなく民衆も。

 魔物が去っていきましたという報告が避難所に入ると、国民は喜び、戦っていた冒険者やプレイヤーは雄たけびを上げた。


「終わった……」

「最後までパンドラは来ずじまいか」

「あの薄情野郎……。魔王城にきたらぶん殴ってやる」

「だな」

「魔法攻撃ができるボクシンググローブ、ちょうど二つあるわ」


 ワグマとビャクロもその場に座りこんだ。

 街の被害も建物が数十棟破壊され、冒険者もたくさん死んだ。だがしかし、国を守ることができた。王都は落ちなかった。


「でもいったいなんだったのこれは……」

「さ、さあ。だが終わったんだ。もういいだろう」

「そうね」


 プレイヤーたちはたちあがり、自分たちの拠点へと戻るのだった。

 そして、そのままログアウトしていく。


 プレイヤー、いや、王国を巻き込んだ悪夢はすべて払われた。

 みんな、夢から覚めたのだった。















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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新乙です! 無事に成功して良かったですねぇ~… 成功しなかったら拠点である国が一つ減るし、ログアウトするにも面倒な事に成ってた筈ですから(´ー`;) でも影の功労者であるパン子ちゃん…
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