ニホン国の悪夢 ②
一体何なんだこれは。
目の前にあるのはこの世界にはどうも不釣り合いな機械だった。機械は勝手に動いており、水の中に囚われてる人たちが苦しそうにうめいている。
すると、電気が走っていた。
「なんだこれは……」
私は機械に近づいていろいろいじってみるが何も起きない。
これは何をする機械だ? この囚われてる人たちは何かを奪われている……いや、たぶんこれは魔力を奪われているんだろう。
奪った魔力で何をするつもりなんだ?
と、機械の横に本が置かれていた。説明書のようだった。
私は手に取り読んでみる。
『この機械の名前は悪夢実現装置……。悪夢であるだろう魔物を一斉に呼び寄せ、強大な力をあたえ国をも滅ぼしかねないだろう……。この装置を動かすのは最終手段だ。それに、魔力が膨大に必要となるだろう。精霊を数体捕らえる必要がある』
と、つらづら書かれていた。
悪夢実現装置……。ということは今現実ではっ……! すると、フレンドメッセージが届くのだった。
『パンドラ! 魔の森の魔物たちが急に強くなってニホン国に向かっていったわ! 数体食い止めてるけど結構やばいわよ!』
『パンドラ今どこにいる!』
もう始まっている、のか。
私は機械に向きあう。止め方はこの取扱説明書には載ってない。だがこの不釣り合いな機械にはいくらか疑問点がある。
いや、むしろこれは多分初代勇者が作ったのではないだろうか……。この世界の人が作れるとは思えない。この機械はな……。
「機械工学なんて学んでねえよ……! 怖いからぶっ壊すわけにもいかないし」
私は急いで階段を上り、途中で商会長を拾った後、商会前にでた。
私は笛を吹きモルを呼ぶ。モルは気づいたのかこちらに近づき私を背中に乗せた。私は急いで魔王城に戻るのだった。
そして、モルから降りて急いでカイハの部屋に向かう。
「カイハ! 力を貸して!」
「ああ、なんだってんだこの忙しい時に! 力を貸せってなんだ?」
「いいから! カイハじゃないと無理!」
「ほほう、この天才カイハ様じゃないとダメな案件があるのか! 行ってやろう!」
私はカイハを連れ急いで商会地下に戻るのだった。
カイハがその機械をじっと見つめていた。いやすこし興奮したような目で見ていた。
「うおー、すげー! こんなもんがこの商会地下にあったのか! 見たこともない感じのマシンだがこれをどうしろと?」
「止めて」
「言うと思ってたぜ! だが仕組みが理解できるまで時間がかかるぞ! その間私を守ってくれよな!」
「わかってる!」
来るときに地上も見てきたが惨劇だった。
レオンがすぐに騎士団を手配したのか騎士たちが戦っており、プレイヤーも総出で戦っていた。王都の門が突破されそうになっていた。
力が増幅していたのか、すごい魔力を感じていた。
「いつまでかかる?」
「仕組みはなんとなく理解したから十分程度ってところだな。ぷろぐらむってのを書き換える必要があるみたいだぜ。ぶっ壊しても続くらしいからな」
「十分耐久ってことね。了解!」
ここからはみんな覚悟が必要だ。
死ぬんじゃねえぞってな。




