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悪の魔王の作り方!  作者: 鳩胸 ぽっぽ
大人と高校生
393/648

それは神への嘲笑、冒涜である ③

 まずい。これはまずい。

 私は今、死の一歩手前まで来ていた。ぬかった。攻撃パターンが複数あるとは思っていなかった。斧をぶん投げてくるとは思いもよらず、私の足に多大なダメージを受け、足が損傷という表示がされていた。どうやら神はアバターそのものを破壊する能力があるのかもしれない。


 痛覚設定も現実にしてあった。なので、滅茶苦茶痛い。


 歩けない。やばい。躱せない……!

 痛さのせいか声にも出せず、声に出ない叫び声が喉を刺激する。そして、メルトウスは私の前に立つと、そのデカい斧を宙にかかげた。

 死ぬ。これは死ぬ。そもそも私は防御力はろくにない。


 足を切られた時点で躱すことができなくなった。結構狡猾なやつだ。完全に不意打ちを食らった。


「……ここで死ぬ、のね。初めて死ぬよ」

「ガアアア!」

「ゾンビには知能がないと思っていたがお前にはもしかしてある……いや、ないな。考えてるようには見えない。きっと体の持ち主の本能が狡猾だったんだな」

「パンドラ!」

「やばいよ。ほんとに。ローキッス、やっぱり私じゃ無理だコイツ」


 私は多分死ぬだろう。

 だが私はプレイヤーだ。リスポーンはきっとする。だから、心配はいらない。ローキッスは私を庇おうと手を伸ばすが、斧は私を切り裂こうと目の前に来ていた。

 ああ、ゆっくりに見える。きっと死ぬときって何もかもゆっくりに見えるのかな……。


「そこだッ!」


 と、突然鉄の球がゾンビの眉間にぶち当たる。


「し、しし、尻拭いです! やはり最高司祭として部下の失態は私の責任です! こ、怖いですが私も戦います!」

「ガアアア!」

「ゾンビは銀に弱いのです! 銀の球を眉間にぶち込みました! 多少はダメージに……」


 と、また、斧をぶん投げた。

 斧はアヴェールに向かって飛んでいく。アヴェールは愕然としており、躱す余裕もないのか突っ立ったままだった。

 私は魔法をうち、アヴェールを転ばせる。


「逃げろ! 死ぬぞ!」

「し、死にかけてるあなたを放ってはおけません! 私の部下のせいなのですから!」

「いいから! あんたはこのことを国王に報告することが先だろ!」


 私はそう怒鳴った。

 水面下でやることはきっと無理だ。本当に自分のせいだというのなら国王に洗いざらい話すべきだ。私の考えが分かったのか、小さくわかりましたといって走り去る。

 メルトウスは追いかけることはしなかった。自信に満ち溢れているのだろうか。


「だが、感謝しないと。死ななかった」


 私は足の負傷を魔法で治す。

 そして、私は氷の壁を貼る。何度も何度も分厚く。割ろうと斧を拾い斧で切りつけるが氷にくいこんでいった。

 だがしかし、分厚く張った氷も割られてしまうのだった。


「やっぱ力強いな……。なにをしても作戦を練っても強引に突破されそうだ」


 早く、早く神様方来てくれないかな。















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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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