魔王軍である強さの証明 ②
準備態勢を整えてきただろう敵軍は、どんどんとこちらに進軍してくる。
勇猛果敢にビャクロとワグマはその敵軍の中に突っ込んでいった。私はヘヴンズ・アローで狙い撃ちしていく。
「その程度か貴様ら! もっと、もっと必死にこんかい! うらああああ!」
「っと、いち、に」
ビャクロはもはやハイになっており、その戦う姿はまるで獣のようだった。
吸血鬼という種族……今は破壊神の眷属か。破壊姫ということらしく、物理攻撃しかできず、バフも1分間ぐらいしかかからない代わりに物理攻撃力3倍という壊れ種族らしい。ビャクロにぴったりの種族だ。
「これ、私いらないな」
私はそう見ながらも、ビャクロとワグマが戦う姿を見ていた。
ビャクロは、柔道や空手、ボクシングやカポエラーなどの武術をベースとした独自の戦い方があり、その運動の才能はもはやプロ以上だといえる。
だがしかし、ビャクロはルール無用というわけじゃなく、基本的に顔とかを狙う傾向が多いが。だがしかし、ハイ状態になるともうルール無用で武術の戦いというよりかは不良の喧嘩って言うような感じになる。
今の状態はというと、ビャクロがチート才能で無双してるだけなのだ。わりとマジで。あいつバケモンだからな……。
一方ワグマは堅実的な戦いを好む。
盾で攻撃を受け、カウンターのように攻撃する。だがあれでも私より運動神経はいいので、暇があったら体術でなんとかしている。
体術でなんとかするのは無理だし、私は多分それができない。頭脳なんだよ私は。私の得意分野は。あと狙撃。
「ふははは! その程度で私たちに喧嘩を売りに来たのか! 無謀だな!」
だがしかし、また敵軍を吹っ飛ばす勢力、現る。
「でやああああ! 魔王様に手出しはさせませんーーーー!」
レブルだ。
レブルもレブルで頭おかしく、剣をブーメランみたく投げたりなど軽く物理法則無視してない? って言わんばかりの挙動を見せている。
二人とも、あんな敵軍の真ん中にいるのにダメージを受けてないって言うのが怖いところだ。
「パンドラぁ! 受け取りやがれ!」
と、カイハがバレーボールみたいな大きさの球を渡してくる。
「なにこれ」
「爆弾だ。俺様特製のな」
と、カウントダウンしていてあと7秒。
私は急いでその爆弾を投げると、レブルがいるところに投げてしまった。が、ユウナがジャンプし、その爆弾を更に奥にやる。
結構な人数で攻めてきたみたいで爆弾が投げられた位置にもまだ兵隊がいた。
だがしかし、爆弾が爆発する。デカい爆発が起き、地面が抉れていた。
「前の水蒸気爆発を思い出してな! その威力を超えるように作ったんだぜ! はーっはっは! 俺様も爆弾ぐらいなら作れるぜー!」
「ユウナが飛ばしてなかったら全員死んでたな……」
爆弾の威力に脱帽です……。
「俺様だって魔王軍なんだぜ! 戦いには参加したらぁ!」
「いえ、あの威力だと私たちも巻き込んでましたが……」
イルマがそう冷静につっこんだ。
「う、うるせえ! 死なばもろともだ!」
神風特攻隊かなにかなの?
「パンドラ様。どう見ます? この反乱」
「私たちの勝ち。相手はレブルとビャクロの圧倒的強さに恐れてる。逃げ腰だ。あれじゃいつ撤退してもおかしくない。リーダーはあの奥にいるニホンの元王とみていいね」
「リーダーを討ち取らないといけませんがどうします?」
「そこは私が……」
私は毒を塗った矢放つ。
眉間に命中したのだった。その王はぱたんと倒れこむ。即死のようだ。
「て、撤退! 撤退せよ!」
「そうやすやすと逃がすかよォ!」
「ひい!?」
ワグマとレブルは逃がさんと言わんばかりに逃げる敵軍に向かって走り出す。
すると、殿を務めるのか、オールランド王国の廃嫡された王子が出てきた。剣を構え、レブルを睨んでいる。レブルはちょっとトラウマなのか、少し怯えたが、剣を握り直し、王子が振り下ろす剣を聖剣ではじき、そしてそのまま切り伏せて、殿部隊を切り捨てていく。
ビャクロも走りながら相手を倒している。
もはや、地獄だった。喧嘩を売る相手を完全に間違えている相手。
「あーっはっは! 反乱起こして勝てる見込みないってのにばかねえ! 私たち魔王軍にひれ伏しなさいな!」
「調子乗ってるなあのワグマ」
「ビビってやがるぜ! こんな少ない陣営に負けるたぁ情けねえ!」
「いや、あの化け物二人がいなかったらこっちが圧倒的に負けてたけどね」
あのチート二人は頭おかしいと思うんです。
ビャクロさんつえー
ていうか大晦日の時の感想で無双するって予言した人いたな…。これ書いたの大晦日よりも前だから…




