大悪魔パビロンを討伐せよ
大地に魔物、海に魔物がいれば当然空にもいる。
空を優雅に飛ぶあのデカい鳥ももちろん魔物で人を襲うのだ。あと、ドラゴンも多少見ることができる。だがしかし、モルの強さが分かるのか、魔物は私たちを無視して飛んでいたのだった。
「モル。私のいうことは絶対聞くんだよ」
「カッ」
「わかったって? 健気なやつだな」
私は頭をなでると嬉しそうに目を細める。
そして、私は呼び出された場所に着地するのだった。街中なのでモルは空を飛んで待機するように指示する。
呼び出されたのはカフェテリア。
「いらっしゃいませ」
「あ、パンドラさん! こっちです!」
呼び出した人は前に助けた男の子。
ここはその助けた子が運営するカフェ兼ギルドホームらしい。このカフェすごいなー。古風っつーかなんというか。落ち着く空間だ。物静かで……。
だがしかし、それを堪能してる余裕はないかもしれないな。
「って、多い」
ざっと30はいるだろうか。
席にはたくさんの人が座っていた。だがしかし、いかついのも数人いる。一人の男の子が私に近づいてきたのだった。
「ほんとに強いのかァ? こんな可愛い女性がよォ」
「た、たけちー!」
「いいよ別に。実力を証明するなら戦ってみる?」
「おう、やってやんぜ。地下の練習場に来い」
と、地下へ続く階段があって、私たちは地下へ降りていくのだった。
そして、私とたけちーといわれた子は対面する。たけちーは魔法使いのようで、杖を構えていた。男の子がはじめと、合図をし、私は一気に距離を詰める。
「はやっ……!」
「はい、終わった」
私は首にナイフを突きつける。
レベルは45ぐらいといったところか。素早さのステータスは私のほうが断然上だけど、鑑定スキルないと自分のステータス細かくわからないもんな。不便っちゃ不便だ。
だがしかし、実力差はわかったのか何も言うことはなくなった。
「というわけで、しばらく手伝ってあげるよ。何したい?」
「レベル上げ!」
「クエスト消化!」
「素材集め!」
と、次々と出てくるのだった。
ギルドにはたくさん人が訪れて依頼を持ってくる人もたまにいるんだとか。簡単な依頼だけど時たま難しいのも混ざっているらしい。
特にボス級に難しいのもあるようで、それで苦戦しているやつがあるとのことだ。
「これです!」
と、一つの紙を取り出してくる。
大悪魔パビロンの討伐と書かれた紙。魔の森の中に存在する瘴気の洞窟の奥深くに住む大悪魔を倒してほしい。息子が大悪魔に殺された恨みを代わりにはらしてほしい。報酬は弾みます。ぜひ、どうか。
ほほう。大悪魔ね……。
「いいよ、面白そうじゃん」
「ほんとですか! 俺たちのギルドも数人同行しますので! あ、ちゃんと報酬もみんなでわけますから! 報酬の半分もらってくださいね!」
「別にいいよ報酬は。私今そんな金いらないし」
私たちは外に出て、私は口笛を吹いた。
すると、上からばさばさとはばたき、地面に降りてくるモル。同行することになった五人のたけちー、パッパグ、ユニバー、グダ、アルフは驚いて目を見開いている。
「悪いね、これ三人乗りだから三人は歩いてきて」
「お、俺乗りたいぜ!」
「私も乗りたいよ!」
「ぼ、ぼくも!」
「俺も乗りたいよー!」
「私が乗るに決まってるでしょ!」
と、言い合いが始まったのだった。
「喧嘩するなら歩いていくか。モル、ごめんね。上から私についてきて」
「カッ」
「「「「「あぁ……」」」」」
五人は落胆していた。
そんなのはどうでもいいので私たちは魔の森に急いだのだった。




