鳥の卵が孵ったァ!
空間は移ってゲーム。
私は鳥の卵を眺めていた。うーん。本当にダチョウの卵みたいに見えてきた。温めてはいるけどこれ本当に孵るんだろうか。卵かけごはんみたいな感じにするようなものじゃないよな? 無精卵じゃないよな?
見れば見るほど不安になる。
これがもし本当の卵でも鶏とかならばマジで嫌なんだけど。
「生まれるならかっこいい鳥がいいなー。それか美しい鳥」
ハゲタカとかなら嫌だなぁと思いながらも眺めていると扉が開かれる。
「お姉さま!」
「……お姉さま」
「来ちゃいました! 魔王軍に入りましたよ!」
「現実とゲームでキャラが違う……。源さん……」
「キャラ名はシュンプーです!」
シュンプーね。
「ギルドはどうしたの?」
「ギルドのみんなで魔王軍に入らないっていったら面白そうだなっていってみんなで入りました!」
「……また増えた」
私は鳥の卵を眺める。
「それ報酬ですか?」
「そ。豪華な景品の中に鳥の卵っていうしょぼいやつがあったから選んでみた」
「そうなんですか……。あ、私は杖を選びました! 一発魔法うつと二発になるっていう!」
常時二回攻撃みたいなもんか。手数が多くなりそうだな。
それに、悪くなさそうだ。
そう思っていると、急に鳥の卵が光り始める。
すると、どんどんでかくなっていった。私はなんとなく危険察したので、窓に向けて本をぶん投げ窓を割り、外に出る。
すると、卵の殻にひびが入っていた。ぴしっ、ぴしっと徐々に割れていく。
そして、殻が全部割れたのだった。
「カァァァァ!」
「で、でけえ……」
体は鋼色で、こんこんと叩くと羽根が鋼みたい軽い。が、背中の羽毛はふかふかしている。鳥の見た目は鷲に近いような見た目だった。
その鷲に近い鳥は私に顔を近づけほおずりしてくる。刷り込みされたようだった。カッカッと嬉しそうにほおずりしていた。
「背中乗っていい? 飛べる?」
「カッ!」
私は背中にまたがると、鷲は空高く飛び上がったのだった。
「うおおおおおお!」
やべえ! 空を飛んでる!
「速度が見たい! 全速力で前に飛んで!」
すると、ぎゅんとスピードが出ていた。
本来ならばすごくGがかかりそうだが、ゲームだから風の抵抗も感じない。が、すごく早い。あっという間に海が見え、そして別の大陸が見える。
こりゃ移動に便利だなぁ! すごいすごい!
私が喜んでいることが分かったのか嬉しそうにカアアアと鳴いていた。
「じゃ、戻ろっか。鷲……」
じゃなくて名前つけたほうがいいよな。
鷲の名前か……。うーん。名づけってあまり得意じゃないが。
「じゃあ、君の名前はモルだ。モル」
由来? 今思いついただけ。
モルと名付けた鷲は嬉しそうに咆える。
「モル! 戻るよ!」
「カアアア!」
今来た道を引き返していくのだった。
モルはとてもでかい図体をしていた。人二人くらいなら余裕で乗せて運べるだろう。あっという間に魔王城につき、魔王城の前の道に着地する。
そして、私は背から降りると、ワグマとビャクロ、そしてシュンプー、レブルが近づいてくる。
「何よその魔物!」
「何って、もらった卵がかえったんですよ」
「そうなのか。なんて魔物だ?」
「鑑定によると未確認の魔物だわ……。それに、強さがSランクになってる」
「へぇ、そんなに強いのかモル」
「ガァァァ……」
モルは四人を警戒していた。
「モル、こいつらは私の味方だから警戒すんな。たまに乗せるかもしれないから私が言う人には警戒するなよ」
「ガッ」
「聞き分けいいわね。種族名もつけることができるらしいわ。パンドラつけなさいな」
「種族名……。じゃあ翼が鋼のように堅いからロブストイーグルでいいんじゃない?」
「わかったわ」
種族名ロブストイーグル、名前はモル。
「たしかに堅いな。羽根一枚もらえないだろうか」
「ガッ?」
「羽根一枚落とせない?」
というと、ガキンと音を立てて地面に落ちる。
「確かに人殺せそうなくらい堅いぞ」
叩くとゴンゴンという音がしていた。鋼を叩いているような感じだな。
へぇ。でも硬さが売りということだろう。防御力はすごそうだな。
「そうだ。二人も飛んでみなよ。すっげえ早いぞ」
「そう? なら体験させてもらってもいいかしら」
「私も乗る」
と、二人がモルにまたがるのだった。
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