いじめの醜悪
翌日はいじめについての全校集会が開かれていた。
私は列に並び、校長の話を聞く。だがしかし、私はじっとしていることはない。私はちょっといいですか? といい、月乃と白露、甲地に目配せをした。
甲地は素早くプロジェクターを用意し、白露が電気を落とす。私は壇上に上がり、月乃がパソコンの前に立っていた。
「な、なんだね!」
「いやー、いじめの件で私から報告があるんですよ」
私はくいっと合図をし、映像を流させる。
昨日撮った映像が流れていた。昨日隠し撮りし、見事に犯行現場が写っている。教師たちはその光景に目を見張り、とうの本人たちは針の筵だろう。こそこそと逃げようとしているので甲地と白露が押さえていた。
「まず第一のいじめの証拠です。先生には悪いんですが仮病を使い授業を抜け出して撮影しました。私に貸してくれる本をこいつらがびりびりに破いていました」
校長は黙って映像を見ていた。
「見事に罠にはまったよね、伊東 萌さんにその取り巻きの人?」
「で、でっちあげよ! そんなことしてないわ!」
「じゃあなんで逃げだそうと体育館の入り口近くにいるんですか? その説明をまずしてみましょう」
「と、トイレよ! トイレがしたいの!」
「なら抜け出すときは先生に一言いうべきではないでしょうか?」
私はにやりと笑う。
そして、私はある写真をまた見せた。
「閲覧注意です。この前、わざわざ学校に来て調べたらいじめられていた子の机の中にこのような死体がありました」
と、小鳥の死体のそのままの画像を見せる。
結構えげつなく殺されており、見た人の中には口を押える者もいた。
「このような不愉快な気持ちになったのはすべていじめのせいです。私にはこれをやった犯人はわかりませんが、先生たちもこれを見たので結構カンカンですよ」
「ああ。私が見た。小鳥は校庭に埋めたがな」
「で、机の悪口です。全部筆跡が違いますね。伊東さんたちのほかにもまだいるんでしょう。筆跡鑑定をしてしまえばだれかわかりますよ? 一年四組全員グルだったんですよね? この机を見ると。で、急遽筆跡鑑定に出した結果、たしかに複数人の名前が見つかりました。じゃ、読み上げますね」
私は懐から紙を取り出し、それを読み上げた。
全校集会は静まり返り、全員が四組を見ている。
「このようなやつらが学校の質を落としてると思うと残念です。信頼は大事なんですよ? 進学校という信頼があるからこそ、受験する人がいる、校則だってお前らのせいでガッチガチになるかもしれないしなぁ。全校生徒から恨みを買って生きていくってどんな気持ち?」
私は壇上から見下した。
四組のみんなは縮こまっており、きょろきょろと源さんが辺りを見渡していた。
「ま、みんな仲良く成敗されてくださいね? 誰かにそそのかされたとかいっても、やった事実は変わらないんですから罰を受けましょうね?」
「というわけだ。まず四組、話があるから教室に戻りなさい」
校長が私からマイクを奪い、そう指示を出した。
校長はにっこりと笑う。
「えー、夢野さん。お見事でした。その手腕、大変すばらしい。ですが、勝手に壇上にあがるのはいただけませんね」
「すいませーん」
「ま、功績もあることですから反省文一枚だけで許しましょう。二三年生に関しては関係のないことで時間をとってしまって申し訳ございません。みなさん、教室に戻って勉強しましょうね」
といって全校集会はお開きとなった。
私たち四人は別室に呼ばれ、ちょっとだけお説教を食らったがね。
公開処刑




