【クリスマスSS】 クリスマスパーティー ちゅうへん
クラスの委員長がグラスを持つ。
「じゃ、みんな一人寂しいクリスマスじゃないこのパーティ、楽しもう! かんぱーい!」
かんぱーい!という声が家に響き、みんなジュースを飲んだ。
そして、料理に手を付け始める。
「うまっ! パン子の料理うっめえ!」
「なんでもできるなー……」
男子は肉ばっか手にしているし、女子はどちらかというと魚を食べている。
新鮮なままだし冬の魚だから身が引き締まってる。そりゃ美味いだろう。
「この魚おいしー。新鮮な感じがするー」
「わかるか? それ私の知り合いが持ってきたんだ今日の為に!」
「漁師いるの? 漁師の奥さんになりたいわー。私魚好きだから食べてたいー」
なんか婚活パーティみたいな会話が聞こえるぞ。
「こいつ、わりとマジで魚好きだからな……」
「え? 好きじゃないもの好きっていわなくないー?」
「いや、そうなんだけど、でもお近づきになるためにたいして好きでもないけど好きだよっていって近づく手法とかよくあるでしょ」
「あー。ああいうの嫌いなんだよねー。食べるの好きだから食べ物に関しては嘘つきたくないのー」
と、うちのクラスは基本のほほんとした子が多い。気が強いやつもいるけど基本いい人なのだ。ノリがよくてな。良いクラスに恵まれたとは思う。
いや、まあ、他のクラスは勉強で精いっぱいでギスギスしてるのが多いんだけど。進学校だからか校則とかは滅茶苦茶緩くても勉強は緩くないのだ。
「前も食べたけどやっぱパン子さん料理上手いね」
「料理は愛情ですから……」
「ぷっ。ほとんど愛情なんてないだろパン子に!」
「うっせえ! いじめるのだって愛情だこの野郎!」
男子からヤジが飛んでくる。
心外だ。こんなにも愛を込めて作ったって言うのに……。私泣いちゃうよ?
「でもこの料理まじでうめーよ。将来料理人でも目指してんのかっていうくらい」
「うんうん。いい料理人になるよ」
「料理人の道は万全だな!」
「あんたら料理人しかおしてないけどお嫁さんになるとか考えないの?」
「「「それはない」」」
甲地以外の男子が声をそろえていった。あと女子も。
そこまで否定する? 将来の夢お嫁さんなんだけど?
「パン子と結婚するとか尻に敷かれすぎだろ!」
「恐妻家になりそうでこえーよ!」
「不倫とか接待でキャバクラにいこうもんなら殺されそう」
と、そんなことをいっていた。
いや、まあ、不倫をしたならば徹底的に追い詰めるかもしれないけど接待でキャバクラなら許すよ? 接待って言うのは大事だしとやかく言うことはないよ?
「あんたら私だからいいけど他の奴らに言うなら本当に傷つく一言だからそれ」
「人を選んでるからな」
「こんなのメンタルが超合金かっていうくらい強いパン子にしか言わねーって」
「さすがにこのこと他の女子に言うのは気が引けるよ」
…………。
私はなんとなくムカついたのでさっき馬鹿にしてきたやつに近づきタバスコを滅茶苦茶かけてやった。
「お、おい。なんの冗談だ」
「食べて?」
「え゛っ」
「はよ食べろ」
「い、いい、いただきます!」
「「「怖え~……」」」
そして、その男子は一口で食べた。
どんどん顔が赤くなっていく。
「あああああああああ!」
「あははははっ! いい気味だ!」
「辛い辛い辛い辛いいいいいい!」
「私を馬鹿にするからだ!」
と、クリスマスパーティーはどんどん進んでいく。




