テスト前日だぞ!
白露が顔をすごく青ざめさせている。
「現実でも乱入者だ。勝てる気がしない。手伝ってくれ」
と、頭を下げてきた。
何を隠そう、テストが明日なのである。カレンダー見てもそれは変わらず、テストまであと一日なのである。
ビャクロイベントにログインしまくりだったな。テスト勉強する意思はあったみたいだがゲームする欲望に負けたらしい。そこだけは意思弱いのかよ。
「まだ大丈夫だと余裕を持っていた……! だがっ! だがそれが甘かった!」
「言ってることが夏休みギリギリまで宿題を溜めておいたやつなのよね」
「そもそも勉強は一日にしてならずだけど」
「うぐぅ……」
白露は私の胸を掴む。
「頼むよぉぉぉ! ゲームできなくなんだよぉぉぉ! 一教科以上赤点回避したら許してもらえるのぉぉぉ!」
「ゆ、ゆするな! 吐く……」
白露が泣きながら私をゆする。
私はしょうがないと思ったのでため息をついた。
「わかったよ。じゃ、一つの教科に狙い撃ちしようか」
「ど、どの教科だ?」
「社会」
「げげ、私が一番苦手なやつ! どうやるんだ!」
「みんな気づいてないけど社会のテストの際、あの先生の問題の答えのくせに気が付いた」
うちの社会の先生はくせがあるのだ。
わかってしまえば致命的な癖が。その癖をつく。もしかしたら気づいて変えてくるかもしれないが、癖というのはなかなか直せないものなのだ。故意的にじゃない限りよほど大丈夫だろう。
「社会の安藤先生は選択問題はイが一番多い。それで30点は稼げるといっていい」
基本、選択問題しかださない、且つ選択肢にはイが多いのだ。
「全部イと書け」
「わかった!」
「あんたよく気づいたわね……。私もそうなのかな? って思うぐらいよ……」
「まあ、なんとなくわかったんだよ。でも、これ一度やると不審がるから最終手段だぞ」
「そっか、対策してくる可能性もあるわよね」
些細なことだから気づかない人も多いだろう。だがしかし、この私の眼を騙せるもんじゃない。
小テストもイが多い。一学期の期末テストも、二学期の中間テストもそうだ。イが多かった。あの先生は無意識のうちに答えをイにすることが多いんだろうな。
「確実とはいえないけど、一番確率が高いよ」
「でも、本当にそうかしら? もしかしたら気づくかもしれないわよ?」
「今気づいてももう遅いし、それに、気づく可能性は薄い」
散々テストを作ってきてイが多かったのだ。まだ本人も気づいてないだろうよ。
「社会赤点回避目指せ。赤点回避すればいいんだろう? 一教科でも。数うちゃ当たるんだ。もちろん親は不審がるけど堂々としてればいい。赤点回避はしたって」
「なんていうか、こすっからいやり方だな……」
「しょうがないでしょ。今更勉強しても遅いんだから。そもそも、勉強しようっていってゲームしてたの白露だからな?」
「うぐっ……その点に関しては何も言えない、です」
「ま、たぶん今回のテストは月乃にしても難しくなるだろうから頑張ってね」
「そ、そんなに?」
「中間テストの内容もでるっぽいからな」
「が、頑張るわ……」
テストで意気消沈していた。
こりゃ四日は二人とも再起不能かな……。
一週間分書き溜めた疲れた




