乱入者:ローズレディ戦
セーフティーエリアを出て、乱入者と対峙する。
いきなり出会うとは大当たりというべきか、運がなかったというべきか。茨の先にはデカいバラの花があり、その真ん中には人型のものがいた。
その魔物はこちらを見てくるのだった。
「ワグマ、鑑定」
「したわ。名前はローズレディ。レベルは……300!」
「たっか!?」
そんなにあるの!?
私のレベルより百ぐらい上じゃん。だとすると、ステータスも相当高いだろうな。強そうだ。
『あなた、可愛らしい見た目してるわね!』
「なんだぁ? いきなり容姿褒められたぞ?」
「えーっと、魔物説明によると可愛らしい女の子を見つけては自分の養分として吸収し、可愛さを奪おうとしてるだとかいってるわ」
「なるほど、審美眼に敵ったってわけね」
ローズレディは茨を伸ばしてくる。
そして、ビャクロを捕らえようとしたが、ビャクロは難なく躱した。だがしかし、ワグマが捕らえられてしまうのだった。
……あれ、私に触手は? 可愛くないってか! ひどくない!?
「き、気をつけて……。眠りの状態異常があるわ茨の触手は……」
と、ワグマがぐっすりと眠り始めたのだった。
なるほど、触れちゃいけない感じか。ならば……。
「天国の門!」
状態異常無効、解除の防御攻撃アップだ。
ワグマは目覚めたのだった。
「これで触れても問題ないよ」
「なるほど、状態異常が効かない……」
「せい!」
タケミカヅチが剣でワグマを掴んでいた触手を切り落とす。
触手から解放され、私たちに近づいてくるワグマとビャクロ。悔しそうに顔をしかめているローズレディがいたのだった。
『邪魔をするでないぞ!』
「邪魔なんかしてないよ」
『こうなったらお前ら全員私が吸収してやる!』
と、また触手が伸びてくるのだった。
ビャクロはその触手を掴み、力任せに引っ張っていた。ずるずると前に進んでくるローズレディ。ビャクロはそのまま触手を前に投げると、ローズレディの体が浮き上がり、ローズレディも地面に叩きつけられている。
「力技にもほどがあるわよね」
『こんの……! たかが人間の分際で生意気なぁぁぁぁ!』
と、怒り狂った顔を見せ、私たちに向かって突進してくるローズレディ。
私はローズレディを包む花びらに触れると、どんどん凍っていく。凍っていくことに恐怖したのか、どんどん顔が恐怖色に染まっていっていた。
凍るのは嫌なのだろう。ドライフラワーになりたくはないのだろう。
『な、なぜ凍って……! 動けん!』
「動けないなら好都合よね」
「だな。攻撃を叩きこむチャンスだ」
指をならす二人。
ローズレディの目には涙が浮かんでいた。死の恐怖がそこまでいるのだと。そういう目をしている。私のスキルはほとんどチートスキルといえるだろう。
そらそうだ。チートスキルを選んで手に入れているからな。
『悪かった! お前らにはもう攻撃はしない! 殺そうともしない! 協力する! だから殺さないでくれ!』
「魔物のくせにいっちょ前に命乞いしてるよ」
「さっき人間の分際でっていってたよね。人間の分際に命乞い……」
「許すか許さないか、どちらでもいいが……」
「ポイントを得るために倒せばいいじゃない」
「うちのリーダーがこういっている。残念だったな。殺すしかない」
私は水の槍を創り出し、凍らせる。
そして、そのまま人型のところに突き刺すと、ポリゴンとなっていった。どうやら倒したようで、私がポイントをゲットした。
なんとポイントは九十万。イフリートよりは低いがそれでもどの階層のボスよりももらえていた。
うま。もっとこの調子でいこう。




