ここはクジラの中
ここはクジラの中……つっても、一つのエリアのように結構広い。
ここはクジラの口の中だとは言われないとわからないだろうってぐらいには。奥が見えない。どこまで続いているんだろうか。
「ここ、クジラの中でイベント終えるってのも嫌だし脱出しようぜ早く!」
「出来たら苦労しないけど」
「うーん、口も完全に閉じちゃったし脱出は無理かもね…」
「とりあえず奥に進んでみる? なにかあるかもしれないし」
ミキ先生がそう提案していた。
私たちはとりあえず口の奥に進んでいくことにしたのだが。足場がぷにぷにしていて歩きにくく、歩くだけでも体力を消耗するくらいには不安定。
三十分歩き続けたが、景色に何の変化も見当たらなかった。
「ひ、広い……」
「だね……」
と、ミキ先生がなにやら壁を触っていた。
こんこんと叩いている。なにをしているかはわからないが……。私はとりあえず広瀬先生に近づくことにした。
こんこんと叩いて首をかしげているミキ先生。
「どうしたんですか?」
「ん、あ、いや、なんかここだけ堅いんだよなって思ってさ」
と、私も叩いてみると、ぶにぶにさもなく、本当に堅かった。
なんだろうこれは……。と思って考えてみる。おおよそ攻撃したらいいって感じもするが。
「攻撃でも加えてみましょう」
と、後ろにいたマアヤが剣を抜いており、その壁に突き刺した。
その瞬間、地震が起きる。私たちは立っていることはできなく、地面に座りこむ。この地震はきっとクジラが暴れているからだろう。
ここを攻撃したら暴れだしたとすると……。
「わかった! このクジラも立派なモンスターだ! この弱点を攻撃して倒すんですよ!」
「へぇ……。でもこの傷でもう攻撃は効かなそうだよ」
「多分、そこらへんに無数にあるんです。壁だけじゃなくたぶん床もあるんだと思いますよ。見つけて攻撃していきましょう」
「ん、了解」
「わかったよー」
「オーケー!」
私たちは弱点を探すことにした。
ただ、この広いクジラのなかでこんな小さな弱点を見つけるのは骨が折れる。わりとマジで。だからこそちょっと効率化したい。
私は攻撃手段が多いビャクロを模倣し、探索することにした。
「こういう弱点は結構規則があるんだよな」
こんこんと叩いて回る。
すると、硬いところがあった。私はそこをぶん殴る。また地震が起きるのだった。そして、またダメージを与えられないかと思い、ぶん殴ってみるが…。
めっちゃ堅い! 手が痛くなりそうだ。もう攻撃は効かないらしい。使い捨てって感じがするよ。
だがしかし、弱点の位置がつかめてきた気がする。たぶん。
このクジラのモンスターの討伐……。私が倒してもいいんだけど、ミキ先生が弱点を発見したからミキ先生たちに譲るかな……。
つっても、このクジラはイフリートよりはなさそうだけど。




