vsフォレストゴーリラー戦 ②
拘束から脱出したのを見るや、またあのドラミングをする。
木の根っこが私たちの足下に伸びてくる。たぶん、これの躱し方はというと、ただ、その場でジャンプするだけだ。足に絡みついてくる瞬間に、ぴょんっと。
木の根っこは私の足に絡むこともなかった。また、ビャクロも直感で気づいていたのか足を拘束されていない。
「甘い!」
ビャクロはまた助走をつける。
そして、思いきりスライディングして相手を転ばせていた。転んだゴリラは起き上がろうとするが、今度は顔面に鋭いパンチを浴びせられる。
肉弾戦に置いて極めて敵に回しちゃいけない奴がビャクロだ。たぶん、ビャクロの中身ゴリラだと思われる……そんなことはおいておいて。
拘束されないビャクロはマジで敵にしちゃいけないくらいにはものすごく危険なのだ。私たちの中で唯一真正面から堂々とぶつかって全ステカンストしたレブルに勝てるぐらいだからな。
「ちょっとでも私に敵うとでも思っているのか! 甘いな!」
どっちがボスだかわからない。
ビャクロは腹パンで相手を怯ませ、顎を鋭いアッパーで捉える。そして空手の要領で蹴りを放ち、相手を吹き飛ばす。
こりゃ結構楽しんでるなビャクロ……。周りが見えてねえ……。
「え、えっと、俺たちいらないかな?」
「そ、そうね。ビャクロ今ハイ状態だわ……」
そのまま、戦闘は続き、ビャクロが無事勝利を収めたのだった。
狂戦士状態になっていたビャクロと一緒にジャングルを歩いている。
「結構DPをもらえたぞ」
と、ホクホク顔でちょっとうれしそうにしていた。
「やっぱあんたらやべーわ……。たぶんビャクロが動けなくてもパンドラがやっていたと思うし……」
「拘束されてちゃ流石に無理だって」
「あんた拘束の回避方法わかったじゃないすぐに……」
いや、結構安直な躱し方だと思うが。
ぴょんっと飛ぶだけで回避できるので結構気づきやすいと思うのだ。だがしかし、ビャクロ一人で完封できたことによるちょっとした悔しさがあるな……。
ビャクロの場合純粋な強さでの完封だけどな。私はどちらかというと罠にハメて完封って感じのスタイルだもんな。
「ものすごく面白かった。またあのゴリラと一戦交えたいな。久しい強敵だった気がするよ」
「い、イフリートは?」
「あんなでかい図体投げれないから面白くないだろう」
「投げれるかどうかが面白い基準なのね……」
イフリートさん可哀想。あれでもボスだぞ。
「ゴリラも相当でかくなかった?」
「イフリートみたいな巨人サイズじゃないなら可能だな。相手の力を流すかのように投げるからあんだけのサイズならば投げることは可能だ」
「へ、へぇ……」
「まあ、柔道技じゃなく空手とかボクシングもどきもしたが、やっぱり体動かすのは楽しいな」
めっちゃ楽しそうに語るビャクロ。ちょっと珍しい姿だ。
こういった笑顔で楽しそうに語るビャクロは本当にあまり見ないからな。それほど周りには雑魚が多いということ。ナチュラルに人を見下してるんだよなコイツ……。
「あの楽しさはパンドラと雪合戦したとき以来だ」
「もっかいやるならいいよ?」
「受けてたとう」
バチバチと火花を散らした。
新状態:ハイになったビャクロ




