いじめっ子でした
そういや、この男の子たち、どっかで見たことあるんだよなぁ。
と思いながらもついていく。どこでだっけなぁと思っていると。
「…………」
「あっ」
私の記憶にクリーンヒットした。
「小中学時代同級生をいじめてたやつら!」
「ぐっ……」
「なるほど、いじめっ子たちには要注意人物の一人ってわけね!」
私は合点がいった。
道理で警戒されているはずだ。それもそのはず。こいつらはいじめっ子で、私が転校させてやった奴らなのだ。手を組んでるのか?
私がそういった目で見ていると、その男の子たちは振り返る。
「わ、悪かった! 反省してる! あの後白い目で見られてようやく気付いたんだ! だからもうやめてくれ~!」
「そ、その、俺も反省してる……」
と、反省の言葉を述べていた。
私はいまいち反省しているかは知らないが、結構なトラウマが刻まれているらしく、私にちょっと恐れをなしていた。
トラウマが刻まれてるなぁって思いつつも、確かにやりすぎた面もあるかな。
「もういじめとかしてないの?」
「してない! 誓う!」
「まあ、私の見えないところじゃどうしようもないし私にゃ関係ないけど、君たちがしたのは許されることじゃないしなぁ。噂に聞くと君たちがいじめてた子は学校行くのが怖くなって今だに不登校って聞くけどね」
そういうと、二人が押し黙ってしまった。
「私も一緒に謝りに行ってあげるから。今度落ち合おうか」
「「め、女神様ァ~!!」」
女神ってよせやい。当たり前なこというなよ。
で、その翌日に集まることになった。
駅前で待っていると、その男の子たちが一緒にやってくる。一人は丸坊主で、一人はめちゃくちゃ顔色が悪かった。
「…………」
「暗い。二人とも暗いっての」
二人がいざとなると緊張しているのか、黙ったままだった。
なので、私はとりあえず坊主頭のほう…足立くんっていう。足立君がいじめていた子のところに向かう。足立君がいじめていた子は美容室の子で、私がよく利用しているところなので結構気さくなのだが。あのお姉さん怒らせると怖いし、私がやんなきゃぶちぎれてたらしい。
「後悔してて反省出来てるんならまだいいんじゃないの? 三つ子の魂百までって言葉知ってるでしょ。本当に悪い奴ならいじめは今もやってて反省なんかしないっての」
「…………だけどよォ」
「うじうじめんどくせえなあお前……。私だって高校入った時いじめられたんだけどその相手許してるからな」
「「えっ……」」
なんだよそのいじめられるの意外…って思ってるような目は。私だっていじめられるんだっての。
やり返して清々したっていうのが許してる理由だけど。
「で、ついたよ」
「あ、ああ……」
坊主頭の足立君は深呼吸していた。
私はそれを見ずに戸惑いなく扉を開けるのだった。




