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悪の魔王の作り方!  作者: 鳩胸 ぽっぽ
寒い月と私たち
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冬休み何する?

 私はゲームからログアウトする。

 ちょっと考えることがあった。冬休みのことだ。冬休み、私は……。


「ということで、冬休みあっちの家に住みます」

「突然ね……。あっちって、パン子の元の家?」

「そう。せっかく掃除して使わないのはもったいないっしょ? 冬休みの間だけでもあっちにいようかなーって。ああ、もちろん大晦日はこっち戻って月乃の家に行くよ」

「私たちが気軽に遊びに行ける距離じゃないな」

「それに、ゲームはどうするの? インターネットないと最大限のパフォーマンス発揮できないわよあのヘッドギア」

「その点はちょっと隣から拝借……。Wi-Fiは届く距離だし」


 涼介に迷惑かけてしまうが仕方ない。

 一応涼介に相談してみると父さんに聞いてみるといっていて、オーケーだということだ。あの家族は私に優しくしてくれるから行くとき何か持ってこうと思う。

 私はちゃんと許可取ったからね。勝手に使って文句は言わないし、許可取るから偉い。


「で、あの涼介ってやつと仲良かったの?」

「帰り道が同じだから一緒に帰ってたぐらいには」

「異性としての好意は?」

「嫌いでもなければ好きでもない。もし結婚する人いないならしてもいいって感じ? 急になによ」

「いや……」


 と、月乃はちらっと甲地を見ていた。 

 甲地がどうしたのかはしらないが……。まあいいさ。


「涼介ってやつガタイいいな。強そうだ」

「あんたは相も変わらずの強さ重視ねえ……」

「男の価値は強さにあるからな。私より強くなければ好きになれそうもない」

「あんた、自分の強さわかってから言いなさいよ。高望みしすぎよ」

「そうか?」


 と、白露が首をかしげる。

 白露は公式戦で一度も負けなし、公式戦に出ると必ず優勝をかっさらうので基本でないことになっているとなるとすごさがわかるだろう。

 高校一年にして全国大会優勝経験が10回。ちなみに五回目くらいからほとんどの大会出禁になるほど。優勝されてしまったら困るという大人の都合で。誰が勝てるんだ。まあ、気持ちはわからなくもない。


「私も自分より頭いい人がいいなとは思ったことあるから何も言えねえ」

「あんた数学者の誰もが解けなかった定理を解いたでしょ……。それ今どうしてるのよ」

「懐であっためてる。将来死にそうなときとか金に困ったときに発表する」

「はぁ……」


 嘘かと思うだろうが、一応マジである。

 定理自体は中学で解けていた。が、発表するとうるさくなるだろうなと思ったので何も言わず過ごしている。

 一応天才といわれるようなことはしているのだ。


「パン子はこんなんだけど一応天才なのよね……」

「そんなそぶりは見せないけどな」

「いや、あの定理解いてみろって言ったの月乃でしょ……」

「ガチで解けるとは思わないじゃないの!」


 月乃がふざけて解いてみろって言ったので挑発に乗って解いてやった。で、有名な数学者の先生に見せに行くと、解けているとぬかして、本当に解いてしまったのだ。

 これが私の武勇伝。なめんな。

 で、一応口止めしておいて、発表はしないで、したら殺すと念を押しておいた。


「片方は天才で、もう片方も天才で。私ってやっぱしょぼいわぁ……」

「金持ちというプロフィールがあるだろう」

「金持ち羨ましいぜ……。私にお金があったら好き放題使うのになぁ!」

「才能がやっぱり欲しいのよ!」


 と、月乃は嘆いていた。

 たしかに、まあ、運動能力は私よりあるけど白露よりないし、勉学は私に到底かなわないくらいだもんな。器用貧乏。


「テストが始まるぞー。ほら、席につけー」

「げ」

「じゃ、やりますか」


 月乃たちは席に戻っていった。















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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 前にも書きましたけど、月乃ちゃんも十分すぎる物を持ってると思うんですが……。隣の芝生が青すぎたせい? [一言] 更新乙です! 家族ぐるみの付き合いって時々ウザイけど良いですよね~……
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