高級すし店のお寿司を食べよう ④
結構鮨を食べた気がする。
緑茶を飲み、少し落ち着くと急に満腹感が顔を出してきた。
「いやぁ、食べたねー」
「私ももういいわ。落合さんもどうかしら? まだ食べます?」
「も、もういいです……。こ、こんなに食べたの久しぶりだ……」
「お腹いっぱいー」
みんながそういったので月乃は大将に勘定をといって、会計を済ましている。なんと値段は十九万ということだった。みんな結構食べたのか知らないが二十万近く行くってめちゃくちゃ高いな……。
これでも少し割り引いているらしい。
「月乃ちゃん払わせてごめんね。ほんとはパン子さんに奢ってあげようと思ってきたんだけど……」
「いいんですよ。十九万なんて安いんですから」
「あんた十九万を百九十円と思ってない? 気のせい?」
いや、月乃の資産が資産だから安いんだけどさ……。
わりとマジでこいつ自分のお金ありすぎなんだよ私にも少し寄越せ。これだから金持ちはろくでもねえんだよなー。こいつも意外とろくでもないやつだからな。
「それはそれとして、うちの社員が迷惑をかけました。すいません」
「いいんだよー。まあ、隣でああいうこと言われるのはやっぱり嫌だけどね。でもああいう人って少なからずいるし前に勤めてた隣町の学校でもそういう人はいたからね」
「学歴がすべてなら私ハーバード大学卒業してくるっての」
「あんたなら行けそうで怖いわ……」
たぶん行けると思うんだよな。
よく東大云々かんぬんとか言われるが、私としては東大は余裕だと思うの。テレビで小難しい理論とか並べてるけど普通にわかってるし……。強がりじゃない。
東大は逆にぬるいんだよな。もうちょいむずいところ行きたいが……。
「東大を滑り止めとしてうけてハーバード大学いこうかなぁ」
「東大を滑り止めって言う人初めて聞いたよ……」
「パン子ならやりかねないのよね。普段結構おちゃらけてるけど本当に頭いいし……。たぶん東大くらいなら満点合格で行けると思うのが厄介なのよね……」
うん、余裕。
高校のテストはまちがえることはない。間違えたとしてもケアレスミスというミスだけだしな。ちなみにうちの高校は東大に行った人もいるらしく、私の成績だと十二分にいけるらしい。白露は絶対に行けないとまで言われてるけどな。
「パン子さんって運動以外はなんでもできるね……」
「まったくよ。器用貧乏っていうわけじゃないのがタチ悪いのよね。ほんと死んでほしいわ」
「金持ちに生まれてるあんたがいうな。金持ちに生まれてる時点で人生勝ち組だろ」
「そうね。人生勝ち組よ? 文句ある?」
「うぜえ……」
「そっくりそのまま返すわよ?」
どちらかというと人生負け組のほうな私にそういうか。
私も金持ちに生まれたいなぁ。




