閑話 ミキちゃんの戦闘 ①
私は刀を構える。
「ミキ、結構強そうな敵だよ」
「任せて」
私は敵を見据える。
そしてスキルを発動し、敵を倒したのだった。刀を鞘に納め、また再び歩き出す。私は今、知らないところに迷い込んでいた。
ぽよんぽよんはねる泡の道の上。長々続く道を歩く。
「一体ここはどこなんだ?」
「さあ……」
チリリンがそういった。
私もよくわからない。敵が結構強いのと、敵が何も経験値もおとさずドロップもしない……泡の敵。うーん。これってなんかおかしい。
経験値が入ってないってことは倒せていないってことなんだけど……たしかに倒されたようなエフェクトは出てるんだよね。
これから導き出されるのはあのモンスターは本体じゃなく分身ってことなんだけど……。分身かぁ。本体を探さないといけないってことだよね。
「パン子さんなら余裕で解くんだろうけどちょっとわかんないなぁ」
一応勉強はできるけどパン子さんみたく頭の回転が速くはないんだよね。
でも、A2Oもこうやって謎を解いて倒すって言うのもあったなぁ。ちょっと懐かしい。あの時は結構運良かったけど今はどうなんだろう?
このスキル構成はちょっと自分で考えたものだし……。
「何か共通点とかあったかな」
「ん? あー、いや、うーん、あったような気がするんだけど……」
「私もわかんないや」
だけどちょっと引っかかる。
頭の中にちょっとこれはあり得ないだろうという仮定がうかんだ。否定したいけど、すぐに否定するのはよくない。
だからちょっと試してみよう。
「チリリン、下がっててね」
私は刀を構える。
そして、一閃。泡だと思っていた地面を切りつけた。すると地面が切れて泡がぶくぶくと吹き出したかと思うと地震がおきた。
やっぱり……! この泡は地面じゃないんだ!
「この歩いてる道がモンスターなんだよ! 多分超巨大なモンスターの上に乗ってるんだよこれ!」
「はあ!? マジで!?」
「さっきの地震は地面を傷つけておきたでしょ!? つまり痛くて動いたんだよ! もっかいやってみるね」
私はまた地面を切り裂く。
すると、また地震が起きるのだった。やっぱり。デカい泡の魔物の上に立っている。道を進んでいると思って急に泡の地面になったからおかしいとは思ってたんだけどさ……。あそこは崖だったんだよ。崖とひっつくようにこいつが休憩かなにかをしていて上にのっかったっていうことかな……。
「そうとわかれば本体を攻撃しよう!」
と、チリリンが先走って攻撃をする。
私はちょっと引き留めようとした。今のっかってる状態で倒すと結構私たちにとってもまずいことがおきるから。
だがしかし、止めようと思ったが、この魔物はそこまで体力がなかったのか、地震が大きくなり、そして、私たちの足がどんどんと沈んでいく。
それにチリリンは驚いていた。
「な、なんだこれ!? 私たち吸収されて死んじゃうのか!?」
「ち、違うの。私の予想が正しければさ……」
すると、泡がしゅわしゅわとなって消えていって私たちは落下していったのだった。




