ビバ!遊園地!
遊園地。私は玲奈ちゃんを連れて四人で来ていた。
「これ全部社員か……」
「正確に言うと父さんが直で経営してる会社だけのね。系列が多すぎて全員となるとこの遊園地じゃ狭すぎるわ」
そらそうだ。
傘下が多く、傘下は一番だろう。阿久津グループは。噂では国家予算並みの純資産があるんだとか。国家予算並みってファンタジーかなんかかと思うけど……。
それを経営する阿久津。本当に普段めっちゃ気軽に接してるけどこいつ本当に近づくとやばい奴なんだよな家がやばすぎて……。こいつが欲しいといえば基本手に入るし、いらないといえば本当に路頭に迷うことになるからな……。
「めっちゃ楽しそうにはしゃいでるぅ……」
「楽しむのも業務だからよ。これも一応仕事で金が発生して……」
「遊ばせてもらえる上に金もらえんの? やばくね?」
「社員のモチベを少しでもあげて成果を上げるのよ」
ほへえ。すげえ会社だな……。
社員のモチベの為に遊園地一つ貸切るって……。金持ちスゲー。
「悪い環境は悪い結果しか生まないのよ。良い結果を生むのならばよい環境から。過ごしやすい環境を与えることによって社員も頑張ってくれるのよ」
「人って単純だな」
「まったくもってその通り」
私将来月乃の会社に勤めるわ。特にやりたいこともないし。月乃のコネで入れさせてくれ。
「あ、父さんだ。おーい」
と、月乃が手を振っている。月乃の父さんは笑顔でこちらにふりふりと手を振っていた。頭にはなんか被り物をしている。はしゃいでるなー。一番楽しんでそうなんだけど……。
私と白露も一応礼だけはしておいた。
「って言うか社員が来てるならどっかに叔父さんいるよな?」
「パン子の叔父さんは急ぎの仕事があるから会社よ。もちろん今日仕事があってこれなかった人たちにも後日なにかするわ」
「叔父さんこういうときに限って仕事とかあるからなー」
「まったく。叔父さんの上司がちょっと無能なのよねえ。仕事を溜めとくタイプなのよ」
「そういうの嫌いだわー」
「ね? でも一応仕事は真面目にこなしてるから文句も言えないのよね」
それが一番タチ悪い。
仕事は真面目にこなしてるんだもんなあ……。その上司のせいでこれなかったとなるとちょっと不憫だ。
「その上司は遊園地には?」
「もちろん来させないわよ。仕事させてるわ。パン子の叔父さんに全部放り投げて悠々と遊ばせるものですか」
「そらそうだ」
人に押し付けて自分は遊ぶって言うのは月乃滅茶苦茶嫌いだもんな。自分のことは基本自分でやるしな月乃は。
「ま、そんなことはいいから遊びましょう! まずジェットk」「メリーゴーランド乗りたい!」「メリーゴーランド乗りましょう!」
子供のわがままには付き合う月乃さん。




