大盛りカツカレー、その量はかりしれず
男に制裁を加えて、私は再び席に座る。
周りの視線が痛いが今に始まった事ではない。別に周りにどう思われようが構わないし。私は常に心の平穏を……願っているわけじゃないのでね。
「お待たせいたしました。激辛カレーピラフです」
「待ってました」
ピラフが運ばれてくる。
辛さ、というのはゲームでもきちんと感じるのだ。
「じゃ、いただきまーす」
スプーンを手にして、ピラフを口に運ぶ。
「そういや、あいつの剣盗ったままだな。まあいいだろ。もらっとこ」
「やってることがもう山賊よね」
「っていうかすごいボリュームだな。これで並盛か?」
「みたいだね」
私たちだけ特別多くされてるわけじゃない。
日本でもたまにあるのだ。こういう店が。お値段は安いけど量が多い。食い盛りには嬉しい店が。これでカツカレーの大盛り頼んだビャクロ……。
ここの店の大盛りはどうなるんだろうか。なんか大食いチャレンジみたいな量来そうだよな。
「お待たせいたしました。カツカレー大盛りです」
「うわっ!」
「うげっ」
「おー」
まじで大盛りチャレンジみたいな量してんな!?
カツは二枚入っており、ご飯とカレーももう飽きるぐらい入っている。これ飽きるだろう……なんて思ってしまうが、ビャクロはこれ全部食べ切れるんだろうなぁ……。
見てるだけで腹いっぱいになりそうなもんだ。
「これ現実だと確実に太るし食べ切れないわね……」
「いただきます」
ビャクロはカツをスプーンですくう。
「カツさくさくだ。美味い。らっきょと福神漬けも乗せなくてはな」
「こう天才って大食いとか辛いもの好きとか味覚がおかしかったり食べる量がおかしかったりするのかしら……」
「さあ?」
私は激辛カレーピラフをほおばる。
この刺激が好きな私はちょっとマゾヒズムがあると思う。女王様には決してなれないタイプだ私。うん、女王様にはなれないな。
「おまたせいたしました。オムカレーです」
「来たわ。なんかカツカレーを見ると少なく思えるわね」
「それはわかる」
だって二倍くらい差がありそうだ。
ただでさえ量が多いのにその二倍って……。なんだかなぁ。
「普通に美味しい。辛さもちょうどいいわね」
「すいません、カツのお代わりはできますか?」
「できますよ。ただ少々お金をもらいますが……」
「じゃあください」
「かしこまりました」
カツ二枚ぺろりと完食してやがる
あんたの胃袋なに? いや、わりとマジで。あんたの胃袋が一番謎だよ。
なんて思いながらもカレーピラフをどんどん食べ進めていった。




