死して尚、その生は忘れられず ①
私は小さいころからあまり幽霊とか怖がらないタイプだった。
心霊番組を見てもなんとも思わなかったし、一回だけ心霊体験があったけど怖いとも思っていない。要するに私に怖いものはほとんどないわけで。しいて言うなら自分の才能が怖いかな……。
なんて思いつつ、私は懐中電灯片手にまた洋館のなかを歩いていた。
「本当にこんな幽霊出そうな場所に素材があるのかしら」
「それ幽霊が言う?」
死霊姫のアップルと一緒に王国郊外にある貴族の屋敷ではないが結構デカい洋館にきていた。
隣に幽霊いる時点で安心感やばくない? 出会うかドキドキする前にもう出会ってるんだよ? やばくね? 肝試しの意味なくね?
なんて思いながらアップルと話しながら進んでいく。
きっかけはミキ先生に頼まれたからだった。
ミキ先生は大の怖がりで幽霊が嫌らしく、どうしても素材が夜のこの洋館でしかないってことからどうしても行かなくてはならなかったらしい。
でも行きたくないからワグマたちに頼んでたんだけどワグマもビャクロも意外とこの手のものは嫌いらしく、拒否していた。白羽の矢がそこで私に立った。
ま、怖いもの知らずだけど……。
「きゃっ! なんか動いたわよ!」
「ポルターガイストねえ」
花瓶が落ちて割れた。
甘いんだよな。
「幽霊さんに一言いうけど、花瓶割るだけじゃ私ビビらないよ?」
私は遊園地行ってもお化け屋敷にはいかない。というか、行くなって言われてる。ワグマに。
どうやら私が何をしてもビビらないから人が脅かすタイプのお化け屋敷でのお化け役の人の心が壊れそうになるらしい。脅かすことに意義を見出してる人からすると本当に相手したくないんだとか。
「というか、あんた幽霊だろ……」
「それもそうだけど結構こういうのって怖いものじゃない?」
「そう?」
「幽霊だからわかるんだけど結構この洋館いるわよ?」
「視えるんだやっぱり」
「そりゃ同族だもん……」
幽霊が幽霊見えなかったら意外なんだけどな。
「たぶんこの様子だと本当にモンスターになった幽霊もいるんじゃないかしらね」
「いるんじゃない? どうやらこの屋敷で殺人みたいなものが起きたっぽいからね。その恨みで……」
「な、なんで殺人が起きたってわかるの?」
「ん、だって匂いがするから。人が死んだ匂いがね。血の匂いがする。どこからも腐臭がするっていうことはたくさん人が殺された……。もしくは現在進行形で人が死んでいる、とかね」
「匂い……私にはわからないわ。幽霊ですもの。匂いなんてわからないわよ」
「そりゃそうか」
鼻はあるけど効かなそうだしな。
「ん? なんか気配を感じるわ……。とてつもなく邪悪な」
「どうやら、あっちからおいでなすったようだね」
「どうやら腐臭?がするのはその気配が原因な気がするわ。そういえばこの洋館に肝試しにくる子供がいるんだけど軒並み死んでいるんだとか」
「へぇ……」
じゃあその多くの歩幽霊は殺された肝試しに来た子供だろうな。
すると、その時だった。目の前から大きな鎌が振り下ろされる。私は避けて、そいつを睨みつけた。
「怖がらないのデスか? かっかっか。面白そうな人が来たものデス!」
「どうやら、一筋縄じゃあいかないらしいね」
戦闘開始。
彼女たちの弱点説明しておこうかな?
月乃→意外と感情移入しやすい
白露→褒められるのに弱い
パン子→目立った弱点はなし




