また、戦争がしたいのか! ①
今日この一話のみです。最近時間なくて困る。
明日と明後日も怪しいなぁ……。
ゲーム内では雪が降っていた。
外には雪が積もっており、目の前の道を行く行商人が乗る馬車の上にもユキが多少積もっている。この積雪量は結構やばいかもしれないな。
だがしかし……。
「いやっほおおおおい! 雪だぁあああああ!」
「雪合戦するか? かまくらつくるか?」
「何言ってるの。雪合戦一択じゃない」
普段から雪が積もらない地域に住んでいる私たちは雪にはしゃいでいた。
大量に積もった雪の上。私は雪玉をせっせと作っている。
「くらえ!」
「わぶっ、やりやがったな」
白露にぶつけると、白露はこちらに狙いをつけていた。
そして、白露も負けじと雪玉を投げてくるが、私の体を貫通していったのだった。
「私には物理攻撃効きませーん!」
「ぐっ、ここがゲーム外なら勝ててたんだがっ!」
「小学生のノリよね」
「いやいや、雪が積もって冷静になれるわけないじゃん? 雪だよ? 北海道とか新潟とか豪雪地帯の人が苦しむ雪よ? 楽しくないわけないじゃん」
「あんた人が苦しむの好きだものねえ」
楽しんでるわけじゃないけどね。
「この様子だと魔王城も雪かきしないとならないわね」
「カイハに頼んで便利なもん出来ねーかな」
そう思ってカイハを訪ねると。
「ん? んなもんねーよ。ここらは雪が積もるから他の家はみんな斜めになってんだぜ屋根。それに、私が開発したのは雪合戦用のマシンガンだな。地面から雪を吸い上げて雪玉を大量に作りそれをマシンガンのように打つ道具だ」
なんて才能の無駄遣いっ!
でもこれ欲しいな。
「これもらえたりする?」
「おう。いいぞ。使ってくれ」
「ありがとう」
よし、月乃たちに向かって連射してやろう。
月乃たちのところに戻る。
「パンドラ。どうだった?」
「ないってさ。でもその代わりに……」
私はどんっと地面にそのマシンガンを置いた。雪玉を吸い上げるパイプは後ろに設置。真下に設置すると私たちの高度が下がっていって当たらなくなるだろうし。もちろん計算してうつにきまっている。
ワグマたちは笑顔を曇らせていた。
「な、なにそれ……」
「見てりゃわかる。うつぞ?」
「正気か!?」
「正気も正気。宣戦布告だぜ!」
マシンガンのスイッチを押すと、ドドドドドドドドドとすごい勢いで雪玉が連射されていく。ワグマは必死の防御態勢を取り、ビャクロは必死に安全地帯に逃げようとしているが、雪が足を取ってうまく進めていない。範囲も範囲だが、すごいな。
なんていうか、ちょっと楽しい。やばい。
「ちょっと! 止めなさいよぉ!」
「足がっ! 雪がっ!」
「たーのしーぃ!」
前言撤回。人が苦しむ姿結構大好きです。
「こうなったら二人で倒すわよ! パンドラ! 私たちがあなたに一撃でも加えられたら勝ちってことにするわよ!」
「物理攻撃でも?」
「もちろんよ!」
「ほう、まだ戦争がしたいのかお前らは!」
「乗るのね?」
「もちろん」
私は腕を組む。
「向かってくるがいい! 私はバカじゃないからな!」
「わかってるわよ!」
はい、戦いの開幕です。
ボス パンドラ
戦争名 雪合戦




