お嬢様学校にいくお嬢様 ②
私たちは吽神さんに案内されて校内を歩く。
トイレしてくるって言って離れ、トイレに行くと、後ろから女性が二人入ってきた。
「ちょっと、あんたどういうつもり?」
「どういうつもりとは?」
私はそう聞くと、その女の子たちは私の胸倉をつかんだ。
「あの吽神様に案内されて何様のつもりって聞いてんの」
といってくるのだった。
あの吽神さん人気だなぁと思う反面、こういう取り巻きがうざったいのはある。それに、吽神さんが案内するのは結構当然なことなのだ。
「私の連れ、誰だかわかってる?」
「は? 知らないわよそんなこと」
「あの阿久津だぞ。吽神家と肩を並べているお嬢様だ。嘘だと思うんなら本人に聞いてきなよ」
「うそ!?」
「急に離すな」
急に胸倉から手を離されて、地面におちる。
やれやれ。社交界とかで顔合わせしてねーのか? いや、結構月乃って閉鎖的な人間だしそう言った場にあまりでないって言ってるが。
どこまでも我が道を行くお嬢様なこって。
「トイレしたいからどいてくんない?」
「そ、その、ごめん」
「いいよ。って、漏れる漏れる」
月乃と合流し、先ほどの子も連れてきた。
「ああ、あなたたちどうしたのですか?」
「そ、その。その方が阿久津様というのは……」
「月乃。あんたがあまり社交界に出ないせいで絡まれたぞ」
「仕方ないじゃない。つまらないことはやりたくないの」
わがままだなぁ。
「月乃……。社交界に少しは出なさいな。顔が分からないままよいつまでたっても……」
「だって面倒じゃない? それに、私には有象無象が群がってくるし出る必要はないもの」
まぁ、互いに利益を求めようと近づき近づかれの疑心暗鬼なゲームみたいだしな。デスゲームっていうかなんていうか。お嬢様の関係ってデスゲームなの?
「やはり阿久津様なのですね……!」
「そうよ。堅苦しいのは別にいいわ。そういうの嫌いなの」
「お嬢様であるにも関わらず庶民の学校に通う変わり者お嬢様ですからね」
「ちょっと。変わり者ってどういうことよ」
「変わり者……まさにそのと」
言い切る前に、月乃が思いっきり私の足を踏む。
「いっで!」
私は足をおさえてぴょんぴょん飛び回るのだった。
なんだよ! 変わり者だろうが! 事実を言って何が悪い!? 現実から目を背けるんじゃあない! いつかは受け入れなきゃいけないんだぞ!
それに、自分でもわかってんだろうが!
「私の家には箔はもう必要ないのよ。学校自体はどこでもよかったんだわ。魔子。あんたもそうでしょ」
「ええ、まぁ」
そう話していると、背後から声がする。
「魔子」
「あら、健斗様」
「あ、さっきの俺様ッ子」
「あ?」
「なんでもない」
俺様って感じがしていけ好かない子!




