魔王軍のハーヴェスト ①
魔王城でカイハの部屋で一緒にいると、ビャクロが部屋に入ってきたのだった。
「パンドラ、なんかいつもとは違った魔物が湧いてるぞ?」
「ふぇ?」
魔の森に入ると、カボチャのスライムなどのものがたくさん湧いて出ている。
え、何この敵。初めて見た。
「おー! もうこんな時期が来やがったのか!」
「カイハ、知ってるの?」
「ああ! なぜかこの十の月の最後になるとかぼちゃやアンデッドがよく湧くんだ! 倒すとかぼちゃなどの野菜が手に入ったりお菓子が手に入ったりするから冒険者では”収穫祭”って呼んでたりするな!」
「ああ、ハロウィンね……」
そういえばもうそろそろでハロウィンか。
ゲームもハロウィンフェアって感じだろうな。アンデッドってミイラ男とかゾンビ、それに……。
「なぜか私もこの時期になると力が増すのだ」
「だよなパライゾ……」
吸血鬼もな。
「なら、思いっきり収穫するか?」
「菓子の類はあまり食べたことはないんだが……」
「かぼちゃならあるでしょ?」
それに、もともとのハロウィンは仮装してお菓子もらうっていうんじゃなく、悪魔払いの収穫祭だったような気がする。
私は近くにいたかぼちゃスライムを倒してみると、小さいカボチャがドロップするのだった。
「おー」
「強い敵が落とすかぼちゃほど美味いらしいぜ!」
「経験値かなんかが関係してんのか?」
まあいいさ。
この調子でどんどんかぼちゃを集めていこう。
その時、また珍しくアナウンスが聞こえる。
《ハーヴェストの季節です。かぼちゃを大量に集めましょう》
運営も狙ったのか!
じゃ、本格的に魔王軍でもかぼちゃを集めましょうかね。せっかくの収穫祭だ。かぼちゃ食べたくなってきたな。
かぼちゃの料理と言えば煮つけとか、団子とか? あとは天ぷらとかだな。
「かぼちゃパーティするぞ!」
「おう」
「はーはっは! この時の為にかぼちゃ収穫ロボットを作ったんだぜ! ま、メイドロボットをすこしいじくっただけなんだけどな?」
魔王軍、かぼちゃ、乱獲します。
パライゾとビャクロ、私とカイハ。そして途中参加のレブルとワグマで三手に分かれ、カボチャを取ることにした。
私たちの目の前にいるのは、デカいカボチャの体を持ったドラゴン。カボチャゴンという魔物だった。名前どうにかならない?
「ぱぁぁぁぁ!」
「独特すぎる!」
咆哮が独特過ぎる! なんだよぱあああって。
「お、おい。これをマジで相手するのか?」
「やるっきゃないだろう? 出会ったんだから」
「お、俺様勝てねえぞ!?」
「私がやる」
ふっふっふ。食材如きが生意気な!
「煮つけにしてやるぜーーーー!」
カボチャゴンとの戦闘開始。




