ミキ先生の実力

　ゲームにログインするとミキ先生がログインしているのが分かったので、ミキ先生のところに向かうことにした。

　そういえばミキ先生近接で戦うとか言ってたけど戦い方しらないし知りたいなっていう単純な好奇心からだった。

「あ、ミキ先生にチリリンさん」

「お、ミキの教え子」

「どうしたの？」

「いや、ちょっと戦ってみませんか？」

「「えっ」」

　二人は驚いたような顔をしていた。

　何をそんな驚いてるのかがわからない。

「それは……やめたほうがいいんじゃない？」

「え、なんでですか？」

「その、ミキ化け物だから……」

「いいですよ。どうせ私に物理攻撃効きませんから」

「そうなの？」

「種族の関係上、私には一切の物理攻撃が効かなくなってるんです」

　海王妃……。進化してしまったのが悪かった。

　鍛錬所に場所をうつし、ミキ先生が刀を構えるのだった。そして、チリリンさんがはじめ、という合図でいきなり、私の体を剣が貫通する。

　え、なにこれ。私じゃなかったら死んでたよ？

「……とまあ、こういうこと」

「開始時といきなりこう？　私には効かなかったけど威力とかは？」

「ん、即死」

「は？」

　即死級の攻撃を開幕に撃てるの？　

　というか即死級の威力を持ったスキルってあったか？

「えっと、ミキ、スキルを教えてあげて？」

「今使ったのはスキル技の必殺の一撃っていってね。防御を貫通して超ダメージを与えるんだよね。プレイヤーなら即死かな？　ただ、普通にやると命中率が５％っていうクッソ悪い確率だから私はあるスキルを併用させてるんだけど」

　あ、なんか嫌な予感がする。

「命中の極意っていう攻撃が必ず当たるスキルで当ててるんだよね……」

「必殺の一撃が必ず当たるってやばくないですか」

「それと必殺の一撃にはクールタイム１０分というというバカ長いクールタイムがあるんだが、スタミナ回復の極意っていうスキルで三分の一までに減らし、尚且つ気合いの極意でたしか二発撃てるんだっけ？」

「うん。クールタイムが必要な技を一回だけクールタイムなしで打てるんだよね。クールタイムが回復しきったらまた使えるようになるんだけど…」

　三分間に二発撃てるのかよ……。どんだけ一撃必殺が好きなんだ。

　それにそのスキルは聞いたことがないな。

「そのスキル私も欲しいんですけどどうやったら？」

「えっと、必殺の一撃は剣で百万ぐらい敵を倒したら……命中の極意は弓矢で百万……」

「あ、いいですもう」

　百万も倒すの！？　必殺の一撃だけじゃゴミみたいな感じなのに！？　命中率５％とか実践にほとんど組み込めないだろうし無駄だろう！？

　必殺の一撃は命中の極意っていうのがないとほとんど死にスキルだろうに……。

　というか、どっちも手に入れるには廃人プレイが必須だろ。ミキ先生どんだけやりこんでんの？　ガチ勢？

「なかなかのゲーム廃人ですねミキ先生……」

「あ、あはは。仕事で疲れた時はのめりこむようにやっちゃうからね……」

　のめりこみすぎですよね？