私たち……入れ替わってる!?
カイハには大きな部屋が与えられていた。開発部屋って安直な名前をうたれている。
その中を覗いてみるともはや機械であふれかえっていた。ベッドがぽんとだけ置かれて、それ以外はほとんど機械だった。しいて言うなら設計図を描くようの机が置かれているだけだ。
「カイハ、やっほー」
「パンドラ! いいところにきたな!」
と、カイハは私の腕を掴もうとするが、とぷんと私の腕に吸い込まれていく。
物理攻撃扱いなのこれ?
「なんだあ!?」
「ああ、私の体液体だから。自分で触る分にはまだしも他に触られるとたまにこうなるんだよね」
「力込めたのかいけねーんだな……。それはそうとして、少し実験台になってみせろ!」
「ええ……」
なんか嫌な予感しかしないんだけど。
どうせならガン〇ムとかそういうの作ったらめちゃくちゃ強そうなんだけど。無理だろうなぁ。ガ〇ダムは。出来てザクぐらいだろうなぁ。
「そっちに触れてみろ」
「こう?」
なんだか取っ手があり、それに手で触れる。電流などは流れてはこないが……嫌な予感がする。
カイハももう片方の取っ手を掴みながら、スイッチを押すと。視界が暗転したのだった。そして、目が覚めると小さいロリ体型の私が浮かびながら目の前にいたのだった。
「え、なにこれ」
「喜べ! 実験は成功したぞ!」
「私の声でそういわれるとなんかびみょーだな……」
「これは人間交換ロボットだ! そのまま人格を入れ替えるものなんだがよ、試す相手がいなかったから上手くできたかわかんなかったんだ。ありがとよ。今のあんたは俺様になってるから俺様の体で好きなことをしてもいいぞ!」
「いや、いいよ。というか、早く戻ろうよ」
「ちぇ、つまんねーの。じゃ、また同じようにやれよ」
私は取っ手を持つ。
その時だった。なんだか、煙をあげている。
「ねえ、煙上がってるんだけど……」
「……うわ、まじかよ!? 一回使って壊れるか……。まだ改善の余地はあるな。いや、パンドラ。テメーの力が強すぎたんだ。神に等しい力を持ってるんじゃねえか?」
いや、まぁ、神様だしね……。
「直せるの?」
「設計図は完璧に暗記しているから問題はねえぜ。三日もありゃできんだろ」
「三日も私このまま……」
「俺様の体で我慢しやがれ! 自衛の為にロボットリュック持っていって構わねーぞ。あれがないと俺様はクソザコナメクジだからな。それぶっ壊れたら俺様のところに持ってこい。直してやっからよぉ」
「……はいはい」
他人の体というのはどうにも使いづらいが。
でも、この機械はマジですごいんだよな。つまるところ、アバター交換機ということだ。正しい使い方をしなくちゃいけない。何を目的でこれを作ったんだ?
「ねえ、これ何の目的で作ったの?」
「ああ? 決まってんだろ。タダの遊びだ」
「遊びでこれ作ったの!? ガチすぎない?」
「天才は遊ぶのにも本気出すんだよ! 体を交換で来たところでいいことなんてねえからな。滅多に使わせねえし俺様が元に戻ったら分解する予定だぜ」
「ならいいんだけど……」
もし敵に侵入され、ワグマとアバターを交換されたらと思うと少し怖いものがある。
「あと、注意しておくが死ぬんじゃねえぞ。パンドラはなんだか死なねえような感じがするが、俺様の体は普通の人間だからな。斬られたら痛えし殴られても痛え。俺様の体が死ぬような攻撃を受けたらパンドラも死ぬからな。俺様も戻れる体がなくなるし本格的にアンドロイドを作るしかなくなるんだから注意しろよ?」
「大人しくしてるよ」
それは厄介だ。つまり、私がこの体で死ぬとしばらくログインできなくなる、という問題が生まれるのか。ただこれはカイハの体だからであり、他の人の体だとログインができなくなるんだと思う。NPCだったらね。
ふむ……。ま、死なないようにはできるかな。




