暗躍の影、魔王の首を狙い
計画通りニホンが攻めてきた。
そして、アデュランと私は魔王城の一室にいた。
「最低な男を演出してやった……! っていうのも、前までの俺なんだが……。はぁ…。でも俺ワグマ様にめっちゃ嫌なことやっちゃったよ……。ほんとに嫌われたんだろうなぁ……。乗らなきゃよかったなぁ……」
「今更後悔しても遅いよ。それに、しばらくは魔王城に投獄されたままになる。ここにはエディットを見張りとしてつけるよ」
アンデッドを大量に召還してもらったエディットにはあらかじめ私の計画を話してある。
この計画を知らないとしたら、もしかしたら暗殺に来るかもしれない。その危険性を危惧してのことだった。
アデュランのためにも迅速に終わらせる必要がある。
「で、あんたはこれから第三勢力、エルピスとして活動するんだろ?」
「そうだね。とはいっても、多分エルピスが存在するのは少しだけだよ」
ここ数日のうちにエルピスは自然消滅する。
あと一週間後ぐらいかな。エヴァン帝国には万全を期して魔王を倒すという情報をある通路から届かせた。今頃はその情報も耳に入ってることだろうな。
それに、ニホンも攻めたということも改めて伝えておいた。もっと焦るだろう。
「ま、それほど賢くない女帝みたいだし腹の探り合いはしなさそうだ」
数日が経ち、私はエルピスを調べてくると言って出ていった。
ユウナ、アンジュ、ウルフをつれていく。
そして一日経った後にウルフに私がエルピスに捕らえられた、返してほしければ……という脅迫状めいたものを伝え、私は当日を迎える。
私たちはローブをかぶった。
「これからはエルピスとして活動するからね。ユウナがナンバーツー。アンジュがスリー。いいね?」
「俺はフォーということだな」
「そう。エディットたちには森の賢者をつれて帝都に進軍させてるし、あっちの戦力も薄いよ」
「だがよろしいのですか? 魔王様にこんなことをして。パンドラ様の意図が伝わんなかったらあなたは……」
「大丈夫。あのワグマだ。絶対にわかるさ」
「でも……」
「でもじゃない。絶対にわかる」
ワグマはそこまでバカじゃないんだ。
私の狙いも、きっとすぐに理解できるはずなのだ。
「さて、いっちょ魔王様と戦いましょうかね。ユウナ、頑張ってレブルを引き留めててね」
「自信はありませんが頑張ります」
「アンジュたちは殺さないように」
「はい」
私はフードをかぶって、戦争の場所に姿を現した。
作者がこの頃考えていること…
それはもっと洒落たサブタイとタイトルにしたい。




