帝国が攻めてきている?
ログインすると、アガルギルドが会議室に集まるようにと伝言を伝えてきた。
なにかあるのだろうか。そう思って会議室にいくと、みんな既に席に座っていて、私だけが座っていなかった。信号機トリオもエクス以外は参加している。まあ子供には厳しいからね。まだ人いたとおもうが全員知らないので何とも言えないが知らない人も交じってる。
「来たわね。じゃ、始めるわよ。オールランド王、アデュラン第二王子も頼みますよ」
「わかっとる。厄介じゃのぅ」
「はぁ。正直、わが国には期待するな。次の王権は私とはいえまだ父が王だからな」
何この状況。
「パンドラに端的に説明すると、帝国が攻めてきたのよ」
「アルトメル帝国?」
「いや、この大陸の帝国。エヴァン帝国よ」
「へぇ」
帝国が攻めてくるのでその対策会議というわけだ。
私がいない間に面白いことになってんじゃん。それでどうしたいんだろう。
「帝国でも潰す?」
「パンドラなら可能かもしれないけど……さすがにやりすぎよ」
「やりすぎなきゃ満足しないんだよねぇ」
私はけらけらと笑った。
「会議中だぞ! 笑うバカがおるか!」
「すいませーん」
国を潰す方針はなしということで。
国を物理的に潰すのはさすがに時間かかるけど城を落とすぐらいなら早く終わりそうだしその方が手っ取り早いんだけどね。
「まあ、帝国についてはよく知らないんだけどどうするつもり? 戦争に勝ちたい?」
「それはもちろんよ。ただ、相手側のことも考えないと」
「それ戦争である必要あるのか? 相手側のことを考えずただ勝利をもぎ取るのが戦争だぞ」
そもそも相手側を想うならこちらが落ちる方が相手側を思いやることになるのだから。
「そもそも勝つためならばいくらでも手段はあるよ。前みたいに不意打ちでたくさんの軍勢が来るわけじゃないから策だってたくさん仕込めるし」
「……今回はパンドラ動かなくていいわ。自分の力でやってみる」
「そう。わかったよ。じゃ、アドバイスぐらいにとどめておくよ」
珍しく頼りにされなかった。
まあ、どちらでもいいさ。帝国との戦争に何もしなくていいというのは楽すぎる。
「まああたりめえだわな。そんな得体の知れないやつをすぐに戦争に参加させれるわけがねえ」
「違うわよ。パンドラがいるとすぐに終わるからよ」
「は?」
「町一つの壊滅、オールランド王国での犯罪集団の一斉蜂起。すべてこいつよやったの」
「…………」
「あ、隣の大陸で最強と言われてきたフィガル騎士団を潰してきたのも私ね」
「なにそれ!? 初耳よ!?」
言ってないもの。
「風のうわさで聞いた。隣の大陸の最強騎士団が一人にやられたって……」
「ちょろいもんだよ。人を絶望させて狂わせるのは。そのせいで仲間割れしてくれたんだからホントちょろかったよ」
大切なものを破壊してしまえば誰だって壊れかけてしまうのだ。
だが、壊しただけでは壊れない人もいる。だからそこで追い打ちをかけるのだ。自己修復する前に。狂わせるように私がとどめを刺してあげるのだ。
人は狂うと何もわからなくなるからね。
「そ、それがなんだ! 過去は過去、今は今だ!」
「そう。じゃ、体験する?」
「やめなさい、パンドラ」
「はいはい」
私はけらけら笑って会議を聞くことにした。
それにしてもつっかかってくる男は一体誰だろう。




