孤児院の因果 ②
外に出るとガラの悪い冒険者が三人ほどたっている。
神父が前に出て何やら話をしていた。私はレブルを見ると、助けたいというような顔をしている。まあ乗り掛かった舟ではあるから助けるけれど。
「ユウナ。私、手を出すからね」
「え?」
私は一言ユウナに断りをいれて私は歩き出した。
神父は借金を返したはずですと言っていた。返されてないと男たちは言う。だがそんなんはもうどうでもいいのだ。
私は水の檻を作り、冒険者たちを閉じ込める。
「なっ……!」
「神父さんよ、乗り掛かった舟だから助けるけど恨むなよ」
私は、弓を構える。
「なんだこれは! おい、お前だろ! すぐに俺たちを離しやがれ!」
「魔王軍がそういわれて簡単に引くと思う?」
「魔王軍……!?」
「魔王軍の名の元に、お前らを潰そうと思う」
「なっ……!」
私は弓を引き絞る。
そして、一人の男の眉間に矢を当てると、男は倒れたのだった。死体を残す設定にしているためにポリゴンとなって消えることはない。
殺された一人の男を見て少し怖くなったのか顔を青ざめていた。
「わ、わかった! 話をしよう。俺らは魔王軍につく、それで許してくれないか?」
「ごめんね。あんたらみたいなクズで軽薄そうなやつ募集してないんだ」
「ひいいいいい!?」
「あんたに残された道は……死ぬ?」
「す、すす、すんませんしたああああ! 借金見逃すんで許してください!!」
と言われたので水の檻を解放すると。
男は地面に手をついた。そしてギロリとこちらを睨んで、そのまま剣を抜いて襲い掛かってきたのだった。やっぱりこうすると思ったよ。
私は水の刀を創り出す。そして、その刀を薙いだ。
刀身は男の脇腹に当たり、脇腹が切れる。
そして、その水の刀で心臓を突き刺した。
「こういう悪人の末路はろくでもないんだよ。覚えときな」
「なっ……ぐふっ」
刀を引き抜き、水を消す。
襲ってきた男は倒れ、あと一人となった。あと一人は怖くなったのかナイフを地面に捨てて手を上げている。
世渡りうまそうだなー。
「で、あんたはどうする? 死んでみる?」
「死にたくないっす……。武器も持ってないっす。襲う気はないっすよ!」
「そう。じゃ、今すぐ退散することだね。私って結構しつこいから」
「すいませんでしたっ!」
そういって男は走り去っていった。
死体が二つできてしまった。私はとりあえず死体を担ぐ。
「あ、あの……」
「なに?」
「助けていただいて、ありがとうございます」
「気にすることじゃないし、魔王軍だからこういうことをするんだよ。死体をどこに埋めようかな」
「師匠。私が担ぎますよ」
「助かるよレブル」
レブルが死体を担ぐ。
レブルは少し笑顔になっていた。いや、人殺しだから悪いことなんですけどね?
「派手に殺したもんやなぁ……。まあ悪人だから神も許さへんと思うが……」
「あはは……。ま、殺すつもりはなかったんだけどつい熱が入って」
「熱が入ったら殺すんかいな……。まあええわ。死体処理なら俺がやるで」
レブルに死体を置かせて、ローキッスはなんだか唱えていた。
すると、死体が塵となって消える。
「そのまま肉体を崩壊させただけや。魂は既に冥府神のとこにいっとるやろ」
「神ってこういうことできるんだ……」
「死んだやつしか俺は無理やけどな」
ローキッスがけらけら笑う。
「さて、私たちは用も済んだし帰るとするよ。ユウナはどうする?」
「わ、私も帰りますよっ! 神父さんじゃあね!」
私たちは孤児院を後にした。




