ドラゴン討伐
バウンティハンターというのは調べてわかったんだけどプレイヤーのカルマ値が高い人を倒すためにいるらしい。
一定値以上のカルマ値が溜まって稀に倒しに来るということだった。そう考えると私は結構カルマ値を溜めていることがわかる。ま、街を一つ破壊するわ、商会を一つぶっ壊すわ、騎士団を壊滅させるわって悪事がてんこ盛りだからね、仕方ないね。
「さて、レブル。今回はいいことするよ」
「なにをするんですかっ!」
「森一帯を焼き払ったドラゴンの討伐」
冒険者ギルドに立ち寄ったらこういう依頼があったので受けてきた。
一応カードはもっている。低ランクだからめちゃくちゃ心配されたけど強い仲間がいるっていったら公爵様が偶然にも来て受けさせてくれた。
心配そうな顔はしていたがそんな簡単に死ぬようなタマじゃない。
「ドラゴン! 燃える強敵ですね!」
「ドラゴン!? わ、私には無理だァ……」
「ユウナはドラゴンに勝てない?」
「当たり前です! あの強靭な肉体に傷をつけるので精一杯です! 人間とは勝手が違うので……」
「まあそうか」
ドラゴンにはドラゴンの戦い方があるだろうしな。
でもレブルなら多分余裕だと思う。実際のところレブルだけでも勝てると思うんだけど……。私たちも面白半分でついていくだけ。
レブルパイセンほんと頼んます。
「よし、じゃ、いこっか」
ドラゴンの巣にやってくる。
ドラゴンは私たちの存在を感知したのか、上空から襲ってきたのだった。私たちは体当たりしてくるドラゴンを避けるとドラゴンが地面に着地する。
『グギャアアアアアアア!!!』
ドラゴンの咆哮が耳に刺さる。とてもうるさい。
レブルは耳を押えながら聖剣を構えた。ドラゴンは爪を振り下ろしてくる。私たちを手で押しつぶそうとしているのか爪で切り裂こうとしているのかはわからないが食らったらひとたまりもないだろう。
レブルは聖剣で腕を切り刻んだ。
ドラゴンは訳が分からないみたく、切られた自分の手をじっと眺める。
「はああああああ!」
「なあ、これ俺らいらへんやん」
「まあ、いらないね」
「主よ……。ドラゴンさんの魂を安らかに……」
「どんだけ強いんですかあの人!」
本人はあれで私たちに敵わないって言ってるんだよなぁ。あれで言われると世の中のプレイヤーとか立つ瀬ないぜ。
あれで敵うのビャクロぐらいなんだよな。いや、ビャクロも純粋な体術で勝てるのがおかしいけど。
レブルは聖剣を構え、そのままドラゴンに向かって走っていく。
「ドラゴンさん。あなたは、とても不幸です。ここで私に出会ったことを後悔してください。また、来世はとてもいい子になることを期待しています」
レブルは聖剣でドラゴンの首を切った。ドラゴンの首が宙に舞った。
本当にレブルだけで終わったなぁ……。




