朝起きる
朝起きた。
「パン子ぉ、昨夜はお楽しみでしたねえ」
「……?」
月乃と白露、それに広瀬先生が苦笑いでこちらを見ている。
「月乃瀬さんがいないと思ったらこんなところにいたんだ……。なんで三人一緒のベッドに眠っているのかな」
「あー……。なんかダリアは気が付いたら入ってきちゃって。月乃瀬さんは先生が見回りに来て焦って私の布団にもぐってきて」
「こう、女子たちが抱き合って眠ってる姿は可愛かったけどパン子がいるのが問題よね」
「私じゃ可愛くねえってか」
「あんた見た目は悪くないのに性格怖すぎ。パン子知ってる人からするとものすごく怖い絵面よ」
そんなにか?
私はあくびをひとつすると、二人が目を擦りながら起き上がった。息ぴったしじゃねえか。もう付き合えよあんたら。
すると、ダリアが隣にいた月乃瀬さんを見てぎょっと驚いていた。
「な、なな、なんで月乃瀬さんが? それに先生!?」
「あんたら寝坊よ。もうご飯の時間だ」
「起こしに来たら案の定寝坊だったとは。それに二人も」
「あれー……もうごはん……」
「ダメだ、月乃瀬さんに関しては寝ぼけてるわ」
「あははー。おかあさん怒ってるー」
「誰がお母さんだ」
とりあえず月乃瀬さんは白露がおぶって連れていっていた。
私とダリアはジャージ姿のままご飯会場にまで歩いていく。いつも八時に起きてるからこういう早く起きるのになれてないんです。
私はまたあくびをする。
「パン子朝起きるの弱いわねえ」
「いつも八時に起きてるんだよ。七時に起きれるわけないじゃないか」
「そうか? 早朝に起きるのは心地いいぞ」
「あんたは早寝早起きだろ」
白露は早朝にジョギングとかするからだろう。
私はそういった日課も何もないんで単純に眠いだけなんです。無理ですよ。
「……んー、おはよう」
「お、お寝坊さん起きたみたいだね」
「……あれ?! ここどこ!? 私はたしかダリアの部屋で……」
「廊下。寝ぼけてるみたいだったからおんぶしてきたんだけど」
「あ、ありがとうございます?」
月乃瀬さんは白露から降りて歩き出した。
そして、私に耳打ちをしてくる。
「友達にならせてね、ダリアと」
といってくるが。
もう二人は十分友達だろうに。月乃瀬さんはダリアに近づくと「おはよー」と話しかけていた。これは私が何もしなくてもひっつくだろう。
ダリアも嫌そうな顔はしてないしな。めげずに話しかければ何とかなる。
「お腹すいたー」
「今日は納豆の気分だわー」
ご飯会場につくと、一目散にダリアと月乃瀬さんがご飯をとりに行く。ビュッフェ方式であり、好きなものを食べるのだ。
私は何食べようかしら。悩むわあ。
「あんたら早く食べなさいよ。私たちはもう食べたんだから」
「へーい」
そういえば一緒に来たけど私たち寝坊したから先に食べたってことですね。




