班員で遊ぼう ①
私はクラスの男子の家に来ていた。同じ班の梅田くんの家に。
林間学校の仲間で遊ぼうということになり、私たちの班は梅田君の家で遊ぶことになったのだった。ちなみに班員は梅田君がリーダーで、武宮君、山崎君、有栖川さんだ。有栖川さんはとても清楚な感じで高嶺の花って感じらしい。
「同じ班員としてよろしくお願いしますね、夢野さん」
「パン子でいいよ。そっちのほうが呼ばれ慣れてるし」
「ならパン子さんで」
梅田君は私にコントローラーを渡してくる。
「勝負だ、パン子!」
「ゲーム勝負ね。何か賭ける?」
「俺が勝ったら宿題をやってくれ」
「じゃ、私が勝ったら腕立て伏せ20回ね」
「乗った」
と、テレビに映し出されたのはぶよぶよというゲームだった。パズルゲームでぶよというものを四つつなげて消すだけだ。
ちなみに連鎖させたらもっといい。要するに得意分野だ。得意分野で勝負を挑んでくるとは……。
「おい、勝てるのか? あのパン子だぞ」
「無謀ですよ……」
「大丈夫、作戦がある」
その作戦を知りたいな。一度くらいは手を抜くか。
「じゃ、始めるぞー! フェスティバルでやるからな」
「はいはい」
キャラを選び、ゲームが開始される。
すると、いきなり二連鎖を組んできて消してきた。なるほど、ちまちまやってくると。
「どんな作戦かわかった」
私はぶよをつんでいく。
「はや!?」
「迷いないね」
「ここがこうでこうしたらこうなって……よし」
こういうのは迷ってたらダメなのだ。
連鎖を素早く組んでいき、おじゃまぶよを活用しながらも積んでいく。ピンチの曲が流れたのだった。
「着火」
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17連鎖!」
「ま、まだだ! フェスティバルタイムがある!」
「でもそのおじゃまぶよ消すためには結構な時間が必要だよな?」
「もうその間に連鎖組みそうですけど……」
「ついでに全消ししたね」
全消しすると連鎖の種というのが降ってくるので、それを伸ばす作業だ。
「もうあきらめな?」
「うぐっ……」
「だから無謀だと……」
「ちっくしょー! やってやるよ! 腕立て伏せだろ!?」
梅田君は上半身裸になり、腕立て伏せを始めていた。
1、2と有栖川さんが数を数えている。楽しんでるなぁ。
「ま、実力だね」
「行けると思ったんだがなぁ……」
「純粋なパズルゲームで挑んだのが間違いなんだ。頭の回転めっちゃ速いパン子だぞ」
「それに、人様に宿題をやらせるというのはよくないですよ。自分でやらないと」
「正論の滅多打ちだね」
容赦ねえな。
「あ、そうだ。パン子さん。今度勉強教えてください」
「それぐらいならいいよ。どこでやる?」
「私の家でやりましょう」
「こいつら呼ぶ?」
「えっと……」
「呼ばないね、わかった」
「男子禁制の有栖川さんの家気になるんだけど」
「それな」
「変に詮索はよくない。それに、下心ありすぎ」
「お前ら、イケメンっていうのはこういうやつのことを言うんだぞ」
「顔もイケメンで性格もイケメンとかずっりぃ」
そう妬むなよ。
性格ぐらいは直せるだろ。顔は無理だとしても。
「ちなみに私は顔で決めないから。性格イケメンな人がいいなー」
「パン子と結婚したらこき使われそう」
「性格がイケメンだと断らないことをいいことにな」
「バレテーラ」
それは否定できないかもしれない。
多分というか絶対こき使う。
「それじゃ、今度私やらせてください。山崎君相手してくださいませんか」
「いいでしょう。自称ゲーマーの俺をなめるなよ」
「ふふ、受けて立ちますよ」




