転移魔法で…
「ど、どこだここーーーー!?」
私たちは知らない場所にいた。
レブル、アンジュも隣に立っている。なぜ知らない場所にいるのかというと、なぜだったか。
ダンジョンを探索してて、それで誤って罠を踏んでしまった。棘床ならよかったが、転移魔法の罠だったらしくどこかに転移してしまったということだった。
魔の森ではない深い森の中。
レブルが魔物と戦いながら先に進んでいく。魔物の出現率がとても高い森の中だった。
「数が多すぎるし強すぎますよぅ!」
「そうみたいだね」
私も水魔法で戦ってはいるがドンドンと湧いてくる。
「しゃあない」
私は、レブルを引っ張る。
「逃げるが勝ちだ!」
「あははは、殺人鬼だった私が命からがら逃げるってとても愉快です」
「笑ってる暇じゃねえええ」
必死に逃げていると森を抜けた。
そこには広大な平原が、見渡す限り広がっている。魔物の類は見えなく、動物が走り回っている。サバンナ……?
たしか魔王城あたりには平原はなかったはず……。すると、馬車が私たちの目の前を通った。
「お嬢さんどこから来たのけ?」
「ちょ、ちょっとそこから」
「ああ! ダメだべ! 死の森に入っちゃ」
「死の森……」
「入ったものは死ぬ森だべ。よく生きとったなぁ……。ほれ、のっけちゃる。奇跡の生還者だべ。うちの村で休んでくんろ」
「そ、そうさせてもらいたいけど一ついいですか」
「なんだべ」
「ここ、どこ大陸ですか?」
「どこって……ギャラクシル大陸だべ」
「……Oh」
ギャラクシル大陸。
それは私たちが魔王城を築いている大陸の隣の大陸だ。戻るのにすっごい時間かかるやつ……。なんで隣大陸に転移させられてんだよ。いじめか? 旅番組でもやるつもりか?
「どうしたんだ?」
「なんでもないです……」
戻るまで何日要することやら。
「ギャラクシル大陸って私たちが住んでる大陸の隣でしたっけ」
「そうですよ。私たちが住んでる大陸は海の大陸、ここは天空の大陸と呼ばれてるです」
「博識だね……」
「ふっふっふ。もっと褒めてくれてもいいですよ」
天空の大陸、か。
となると天空の神殿があるということだ。探す気はないし、海王姫だけでお腹いっぱいなので別にいいんだが……。ワグマかビャクロにプレゼントもしたい。
でも一人だけだからやっぱ不公平か。それと、取られていないということもないだろうしね。
「うちの村に来るべか?」
「あ、ぜひともそうさせてもらいますわ」
「わかったべ。荷台に乗りなぁ」
私たちは荷台に乗り込み、馬車が発車する。
荷台にはたくさんの荷物が積んであった。ピッケル、鍬などの用具が積まれており、商人かなんかだろう。優しい人でよかったか?
……早く帰りたい。




