勇者病
テストが明け思う存分やれるようになった。とは言い難いが。林間学校あるし。
ログインすると、その瞬間光が見える。その光はすぐにやんだ。今のは何だったのだろうと思って見回すとそこにはレブルが苦しそうに息をしながら倒れている。
「レブル!?」
「あ、し、ししょー……な、なんか苦しいんです……」
と、レブルの弱い声がする。
「ま、魔力がどんどんあふれてきて止まらない感じです……。こ、このまま行くと私の魔力が爆発し私もロトも吹き飛びます……」
「…………」
「ゆ、勇者がなりやすい病だっていってました……。その、ししょー……。私をどうか遠いところに連れてってください」
と、レブルはそこで気を失った。
勇者がなりやすい病……。魔力が暴走し勇者の体が爆発する。勇者もろとも死ぬのだ。確かその病気は。助かる見込みは……0ではないがそれに近いということ。助かるのはほとんど奇跡のようなものだ。
「……ログインしたらいきなりこんなことになって。私の身にもなれっての」
私は、レブルを助けるべくとりあえずその病気について調べることにした。知ってはいるがざっと目を通したくらいでそこまで知ってるわけじゃない。
私は本を手に取り、ペラペラめくりレブルがかかった病気を調べる。
「名前は”勇者病”。勇者に選ばれたものにしかかからない。理由は神から与えられた力に体が耐えきれないためだ。治し方は簡単であり神の血を与えれば治る……。いや、簡単じゃないでしょ」
どこが簡単だ。たしかに神の血を上げればいいってことは簡単だろうけど、神の血をすぐに手に入れることは無理だろう。馬鹿か?
だがしかし、運がいい。神の血ということは眷属でも大丈夫だろう。私がいる。
「しゃあねえなあ」
私はナイフで自分の手首を切り、血を垂らす。その血がレブルにつくと、体が一気に光出した。もしかして爆発……?
はしなかった。光が止むと、髪が水色に染まり、神々しい雰囲気になったレブルがいた。
「……あれ、私元気になりました?」
「……うわぁ、進化した」
「って、なんですかこの髪の色! 水色です!」
「私が海王姫だからそうなったのかな」
「そうなのですか? というか、どうやって私を治したのですか?」
「いや、それはザクっとしてぽたぽたと」
「オノマトペじゃわかりにくいですよぅ」
そらそうだ。
だがしかし、海王姫だから水色の髪になったんだろう。たぶん私の力も少しはできるようになってるかもしれない。ステータスは上がってほしくないけど。今ですら化け物だし。
でも無事だしよかった、か?
「でもありがとうございます! 助かりました!」
「部下を助けるのは役目だよ。気にしないで」
でもなんで今更勇者病なんかにかかったんだろうな。
あ、明日の更新ないです。寝坊しました…




