広瀬先生とのお勉強会
かけた
日曜日。
私たちは広瀬先生の家を訪れていた。たまに教え子が来るらしく、私たちから始まった事じゃないという。
で、今なにしているかというと、勉強会。
もうすぐ中間テストがあるからだ。
「ほら、球磨川さん。そこ、違うよ」
「そうなんですか。言われた通りやってるのですが」
「やってると思うけど全然違うんだよねやり方……」
やり方勘違いしたまま覚えちゃってるのかよ。
私は漫画を読みながらそう考えていた。
「なんでパン子は勉強しないのよ」
「ん、私もうその問題集全部やってるし」
学校からもらった問題集はすべてやった。
なのでやることがない。来る意味はまるでといっていいほどないが、白露と月乃が来たので来た次第だ。それにしても、この漫画めっちゃ昔のだ。広瀬先生が高校生の時に買ったっていってたな。
「勉強は一朝一夕で身につくものじゃないからね。それに、私は一人のほうがはっかどーるというもんでーすよ」
「伸ばすな」
今から勉強を始めても何も覚えないだろうに。
こういうのは普段からやっておくんだよ。授業終わったら復習、これ大事な。
「夢野さんも勉強したら? 私が教えてあげるよ。こうみえても先生高校生の時は学年一位だったんだよ」
「先生、パン子いつもオール満点よ。学年一位どころじゃないわ」
「そ、そっか。先生負けちゃった……」
……。
私は、ノートをもってテーブルに座る。
「やるの?」
「やりたくなった」
「勉強をやりたくなるってお前頭おかしいぞ」
「白露が嫌いなだけでしょ。私別に嫌いじゃないし」
もともと勉強は好きだ。
ノートを開く。
「すごい綺麗にまとめてあるね。よくできてるなぁ」
「そうですか?」
「このノート、生徒に見せたいくらいだよ。すごいわかりやすいし多分これ見たら点数とれると思うよ」
「……褒められると嬉しいですね」
綺麗にまとめるのは自分が助かるからね。
ただ黒板を写せばいいって考えもあるかもしれないけど、それだと身につかないんだよな。わかりづらかったら意味がない。ただ写生してるだけだろうってね。
自分なりに黒板の字を纏めるのがポイント。
「というか、それ見たら取れるわよ。パン子のノートみたら白露赤点ないし」
「そうだな。それがないとほとんど18点とかそこらだ」
「できなさすぎだよ……。あのバカのチリリンでもできたのに……」
広瀬先生はため息をついた。
ナチュラルにチリリンさんをdisりやがった。広瀬先生って案外毒吐くのかな。人間怖え……。
「ちなみに阿久津さんは?」
「70点とかそこらね」
「うーん。いいほうだとは思うけどよくもなく悪くもなく……?」
「自分でもそう思ってるわ」
白露は低いの知ってたけど月乃そんな低かったの?




