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悪の魔王の作り方!  作者: 鳩胸 ぽっぽ
魔王ワグマの治める地
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打ち上げ

 とあるレストランの一室を貸し切り、目の前には料理が並べられている。


「えーっと、二日間お疲れ様! 打ち上げですよ! あまり嫌がることはしないようにして目いっぱい楽しもう!」


 委員長がグラスをもって前にでている。

 私たちもグラスを持っている。


「じゃ、いろいろハプニングがあった文化祭の成功を祝して、かんぱーい!」

「「「「「かんぱーい!」」」」」


 みんなグラスを打ち合っていた。

 私はまず目の前の料理を皿に盛る。うへぇ、どれも美味しそうだ。オードブルってめちゃくちゃ料理あるからとりあえず全部一つずつ皿にのせるのが私だ。

 

「から揚げにミニハンバーグぅー、それとウインナー!」


 お子様ランチか。

 美味いから仕方ないが。


「それにしても小道具壊されたときはびっくりしたよ。あんなことをするやついたんだね」

「なんとかできたけどでも、もう小道具壊されるのは勘弁かな」


 みんなの話題はやはり小道具だった。

 壊された事件があり、私と委員長とごく一部ぐらいしか犯人をしらない。一応優しさとしてクラスのみんなには言わないでおいた。

 まったく。お人よしだよ。広めればいいもののって思うわ。


「そういやパン子、小道具の犯人見つけたのよね」

「そりゃもちろん」

「誰だったの?」

「二組の安藤。動機に関しては自分たちより完成度が高いから」

「嫉妬、ね」


 七つの大罪でもある嫉妬は時に人を暴走させる。

 誰かを蹴落としてでも得る快感は本物じゃないのはわかっているだろうに。嫉妬は罪を呼び、罪はいずれ自分に返る。因果応報っていうやつだ。

 今頃、打ち上げしてるだろうけど針の筵だろうな。あちらは手を出したんだ。いや、もしかしたら参加していないかもしれないが。


「だがしかし、犯人よくわかったな」

「そりゃ鍵でわかるでしょ」

「そうか。うちの学校はそういうとこだったか」

 

 私は料理を口に入れる。

 別に小道具を壊されたぐらいじゃ何とも思わないが、クラスの努力が否定されるのは嫌だ。その努力を壊すのはどうしてもあまり好きじゃない。だからって怒るほどではないけれど。

 理不尽は常だ。世の中は理不尽だらけだから。


「でも、ジュリエットかっこよかった」

「そりゃどうも武宮君」

「嬉しくない?」

「嬉しいなー」

「棒読みだね」


 武宮君も立派だったよ。オセロットの役。

 新世界のジュリエットの中のオセロットは、どちらかというと悪役に近い。最初に立ちはばかる敵というものだ。だがしかし、最初から強い。

 ロミオは搦め手を得意として戦っていたのでまんまと引っかかりすぐにやられるんだよね。


「……その、さ」

「なに?」

「林間学校、もう少しであるじゃん……?」

「あーあるね」


 九月の中旬に林間学校がある。

 というか、来週な。この学校はなんというか行事を詰め込みすぎなんだよ。一年生で林間学校、二年生で宿泊研修、三年生で修学旅行。

 修学旅行は国内で北海道か京都か沖縄を選べるらしい。


「一緒の班に……ならないかな、なんて」

「一緒の? いいよ」

「いいの!?」

「別に飯盒炊爨とかハイキングとか、それぐらいだし班はどこでもいいかなって思ってるし」

「そ、そうなんだ。でも、嬉しいよ」

「そう?」


 それなら何よりだ。




















おや、また行事がある…

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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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