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悪の魔王の作り方!  作者: 鳩胸 ぽっぽ
魔王ワグマの治める地
112/648

文化祭前の事件簿 ①

 ゲームではいろんなことがあるけれど、現実世界はそうじゃない。

 私はあくびをしながら小道具とかを作っていた。とんとんとリズムよくトンカチで釘を打つ。物作りは基本設計図通りにやれば問題はない。


「完成度たっけー……。パン子こんなのも得意なのかよ」

「まあねぇ。手先は器用だし?」


 小道具班として活躍している。

 だけどその翌日、事件が起きたのだった。


「なんだこれ」


 さあまた始めようとした時、しまってあった小道具が全部壊されていた。

 木片がちらばり、せっかく作ったものが全部修復不可能くらいにまで壊されていた。誰がこんなことを。なんというかあさましいっていうか。

 それに、小道具壊されたぐらいで私たちがギャーギャー言うわけじゃないのにな。


「ちょっと!? ナニコレ!?」

「うっわ、みんな壊れてるよ……。俺たち作ったもんもすべて……。誰がやったんだ」

「……文化祭までもう少しだよね? ちまちまと作ってきたけどこの数、今から作れる? 正直この出来にはもうできないと思うけど……」


 そう、問題は文化祭があと三日後というところだった。

 ちまちま作ってきて、今日ですべて完成させる予定だったんだけどね。だからこの小道具が使われる四日後……文化祭二日目には絶対必要だ。

 まったく。ここまでして妨害って……。

 誰がやったのかは知らないけど陰湿というかなんというか。犯人を推理するのもばかばかしい。


「パン子! どうしよう!?」

「どうしようたって……。作るしかないんだろうけどな」

「ドラ〇もん! なにか道具出してよ!」

「誰がドラえ〇んだ」


 どうにかしろって言われても私には無理だろう。

 こういう時はやっぱ頼るしかないだろうな。私は、携帯を取り出し電話をかける。


「もしもし月乃」

『どうしたの? 料理班になんかあるの?』

「うちのクラスの妨害をする奴がいるから気をつけろっていうのと、あと月乃の力でなんとかしてほしい」

『なにがあったのさ』

「かくかくしかじかで」

『それでわかるのは漫画だけよ』


 そらそうだ。

 私は目の前に起きている惨状を詳しく月乃に説明すると、月乃が「何よそれ!」と憤慨していた。そして月乃は会社の社員さんに頼んで作ってもらうということだ。

 人数はうちらより多いから三日あればすべてできると言っている。持つべきものは金の力だ。


『設計図は今日私に頂戴。で、パン子は犯人を見つけるのよ』

「ええ、めんどくさ」

『こんな姑息な真似されて許せるわけないじゃない』

「そうだけどさ」

『犯人捜しするのが私からの条件よ。そんなホイホイできないわ』

「はいはい探しますよ」


 私は電話を切る。


「それじゃ、犯人推理と行きますか。とはいっても、簡単だろうけどな」






















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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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