謎の???
飛来した謎の物体。
それは各地に降り注いでいった。ある学者は天変地異の前触れだといった。これは神の怒りだと。神を疎かにしていた我々に罰が当たったのだとそういっていた。
だがしかし、ある者は救済だといった。その降り注いでくる物体と取り込めば強大な力を得ることができるのだと。
「これが約三千年前の書物だよな」
一応元に戻れ、魔獣化という力を得た。
それでオールランド王国王城の書庫にお邪魔させてもらいあの謎の物体を調べている。あれの正体が見当もつかない……が、あの力は誰でもいいというわけじゃないからなぁ。
少なくとも、力が合わない人は取り込まれてしまっていた。となると……何か条件があるとみていいだろう。これに似たのを私は知っている。
条件が必要なものだったリンネ。それと何か関係しているのだと踏んでいる。
「もしかしたらリンネとはこの三千年前の……」
いや、もしかしたらではない。大方そうだろう。
あの物体は目視では何個も確認はできたが落ちてきたのは一個だけだった。他のところにも落下しているには違いないだろうが……探すのが手間だろう。あと、条件がわからないから探しても骨折り損といこともある。
「あの物体は果たして神の怒りなのか、とか考えても無意味だろう」
神様なんているわけがない。
神様なんていうのは縋れない弱者が作り上げた偶像でしかない。神様だなんだというのは正直うっとうしい。
あの物体はどこから来たのかがわからないからこそ神の怒りだというんだろう。
本当に、あの物体はどこから来たのか。
「パンドラ、なんかわかった?」
「いや、なんも。私の力であるリンネと関係があるかもしれないってことぐらいかな」
「ふぅん……。でもあなただけ狡いわよ。第二形態手に入れちゃって」
「仕方ないでしょ勝手に取りこんじゃったんだから」
いちゃもんつけられても困ります。
とはいっても魔獣化か。悪役っぽいよな。
「私も第二形態第三形態欲しいわね。魔王なんだからパンドラより強くないと」
「そうだね。なら、あの飛来した謎の物体を見つけて取り込むほうが手っ取り早いけどどこにあるんだか」
「私一つある場所心当たりあるわよ。私も見てたけど一つは魔の森に落ちてたわ。魔物たちに取り込まれる前に探したいところね」
「わかった。捜索しよう」
とはいっても魔の森はとても広い。
私たち三人で探すのは少しというか、結構きついが……。頑張れってことなんだろう。ワグマに第二形態を持たせるために……。私だけ第二形態あるからな。
「じゃあさっさと魔獣になりなさい」
「私で移動するのかよ」
「いいじゃない。デカいし早そう」
「はいはい……」
郊外に移動し、私は魔獣化する。
ワグマたちがよじ登って私の背にのっかった。
「しっかり捕まりなよ! 不運と踊っちまうなよ!」
「はー……なに?」
「このネタ知らないか! イマドキの若い子は!」
「パンドラも十分若いだろう」




