武闘大会で戦わないかい? ②
なんか一回は勝てたけどまぐれかな。
相手強そうだったしきっと偶然だよ……。私はそう思いながらも二回戦を迎える。師匠は普段教えるときは急所を狙えって言っていたな。
でも、二回戦の相手は本職の武闘家さんらしいし、勝てる気がしない。
「レディー…ファイ!」
掛け声と同時に一気に攻めてくる。
きゅ、急所! 私は武闘家さんの突進を躱し、背中に回り込む。そして首に回し蹴りをすると、相手の首が変な方向に曲がった。
「あー! すいません! 今直します!」
私は首をがっと掴み、ごきんと変な音がしたけど元に戻した。
すると、相手が泡を吹いていた。なんで!? 元に戻したら治るんじゃないの!? え、どうして!? 私はこれで治ったよ!?
さすがに首が胴体から離れたら死んじゃうけど首折れるぐらいなんともないんじゃないの……?
「しょ、勝者レブル……。おい、医務班直ちに医務室に運べ!」
え、ええ……。
……もしかしたら私勝てるかも?
二回戦が終えてホクホク顔で戻ると師匠が苦笑いを浮かべながら私を見てきたので、勝ちましたと報告だけしておいた。
すると、「え、偉いね」とお褒めの言葉をもらいました!嬉しい!
「それにしても最後の死体蹴りはやりすぎじゃない?」
「え? いや、首が折れてそうだったので戻してあげようかなって……。あれで治りますし!」
「……もう何も言うまい」
師匠が頭を押さえた。
「なんかみんな弱いので勝てそうです!」
「そ、そうかい。じゃ、じゃあ頼んだよ……」
と、師匠が頼んできたので全力でうなずく。
師匠は少し考えを纏めてくるといってどっかにいってしまった。私はその間控室で待っておこうと思ったので控室に行くと、みんな私を見て部屋の片隅にまとまってしまう。
え? みんなどうしたの?
「さ、流石はパンドラさんが手にかけてる子だ。容赦ねえ」
「容赦……?」
「本気で潰しに来てるぞ」
「本気……? あ、本気出したほうがよかったってこと……?」
「おいおい、あれで本気じゃないってよ」
「ねえ、棄権するわ。あんなやつに勝てねえよ」
と次々逃げていった。
すると、しばらくして闘技場のほうから『えー、オプラッソの選手大半が棄権しましたためもう決勝となります』という声が聞こえ、私を呼ぶ声が聞こえたので行くことにした。
対戦相手は誰だろーなーと思いつつ移動し、闘技場につくと、そこにはレフェリーさんともう一人。私の知り合いである魔王軍のビャクロさんがそこには立っていたのだった。




