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第10話 

 南蛮国から馬で10日で蜀の首都である成都に着いた。

 俺自身馬に乗るのは初めてだったが以外に簡単に乗りこなせた。

 華陀言わく体が覚えていたんだろうとのこだ。

 しかし辛い旅だった。

 

 現代人の俺は野宿も初めてだったので最初はちょっと浮かれていたが3日目にもなると嫌になっていた。

 夜中は火を消すわけにもいかないもで交代で火の番と見張りをしないといけないので寝ても疲れが取れなかった。

 食事も干し肉や簡単な草スープ干し米など同じ物ばかりで飽きるし辛かった。

 けど弟である孟優がイロイロ助けてくれた。

 見張りも俺の代わりに何度かしてくれた。

 孟優……兄思いのいい子だと改めて思った。 

 成都までの10日間のうち3日は宿場で休むことできたがその宿場お粗末なものだったが野宿よりマシだった。

 そんなこんなでやっと着いた成都はかなり賑わっていた。


 南蛮国ではあまり中国てイメージがわかなかったけど成都は家や着ている服などを見ると古代の中国に来たんだなと改めて思った。

 俺がキョロキョロと周りを見ていると華陀が仕方ないなと言った表情で


 「孟獲、そんな浮ついた感じだと……」


 俺が華陀の方に振り向くと俺と同じ年ぐらいの少女にぶつかり少女は尻餅をついた。


 「いたたた、お兄さんどこ見てるの!」


 「ごめん」


 そう言って俺は少女の手を取り立ち上がらせた。


 「怪我はないか?」


 少女はお尻をパンパンと叩き


 「大丈夫よ、本当なら慰謝料が欲しいとこだけど見逃してあげるわ」

 

 そう言って女の子は立ち去っていった。

 なかなか可愛い子だったな。

 俺は少女の後ろ姿を見ていると華陀と孟優が俺に近づき


 「兄者大丈夫か?」


 倒れたのが少女で俺はなんともないのだが……

 

 「大丈夫だ。 女の子に怪我をさせなくて良かったよ」


 「……孟獲お前気づいていないのか?」


 「何が?」


 華陀は呆れた表情で


 「懐の財布は大丈夫か?」


 「……!?」


 こうして俺は成都に着いて1日目にして無一文になった。

読んでくださりありがとうございます

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