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黒白の勇者 ~再召喚された異世界最強~  作者: 陽山純樹
第六章

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邪竜の目的

 魔物と交戦し、カイと話をしてから数日後、ユキトはメイから連絡を受けた。それによると、現在記憶を戻したメンバーと、ユキト達側のメンバーを一堂に集めて、交流会をしようというものだった。


「俺は予定を確認すればいいのか?」


 ユキトの質問に対し、メイは『そうそう』と答える。


『スケジュールについても……さすがに大人数だし、全員いけるかどうかわからないけど、どうにか調整してみる』

「……日取りを決めるのにも時間が掛かりそうだな」


 そんなコメントをユキトはしたし、調整をするメイの負担は大きいだろうと考えたのだが――予想外にも日取りそのものはすんなりと決定した。しかもそれは翌週の土曜日であり、存外早期に開催されることとなった。

 ただ、これだけ直近だと逆に大変なのが準備。カイの話によると、メイが主導的な立場で動いているらしく、彼も大丈夫なのかと不安になっているらしい。


「……何か手伝った方がいいのか?」


 カイと連絡を行い提案するが、彼の返答は、


『メイは平気平気と言って魔物捜索の方を頑張ってくれと。その日、魔物が出てきて台無しにされる方が嫌だと』


 そういうものだった。これにはユキトも苦笑する。


「……予定が早期に決まったこともあって、明らかに負担が大きいよな?」

『僕もそう思うんだけどね……会場そのものは組織の会議室だからその辺については問題ないんだけど、どうやらメイは何かしら考えがあるみたいで』

「歌でも歌うのか?」

『そのくらいだったら別に事前準備なんて大したことはないわけだけど……』

「何か盛大なイベントを用意していると」

『メイは僕にも言わないんだよね』


 ユキトは苦笑する。手伝おうかとカイが提案するのを全力で拒否するメイの姿が頭に浮かんだ。


『まあ、僕としては言及しようもないからメイに任せることにするさ……あのバイタリティは見習わないといけないかな?』

「正直、メイの活発さは真似できないレベルだと思うけどな……継続戦闘能力がある俺だって、あそこまで動き回るって無理だって思うし」

『ユキトが言うのならよっぽどだね……と、ユキト。現状スイハ達に問題はないかい?』

「ああ。訓練の方も順調だよ。先日鍛錬の成果を披露し、なおかつ魔物を倒し……ということで多少なりとも自信に繋がったみたいだ。とはいえ本人達はまだまだだと考えているみたいだけど」

『僕らと比較して無茶しないように助言だけは頼むよ』

「ああ、わかってる……カイ、魔物や邪竜の捜索の方はどうだ?」

『イズミの霊具は一つ完成し、それを使って索敵をしているところだ。でも、成果は芳しくないな』

「魔物もいないのか?」

『この世界、色んな場所に魔力がわだかまっているみたいで、魔物がいると考えても実際は単なる魔力溜まり……というケースがあるんだ』

「その判別をしないと索敵は難しいと」

『そうだね。今は霊具の検証をしている段階だけれど……交流会をやるくらいのタイミングで目処は立つと思う。扱い方がわかったら、マニュアル化して共有しようと思う』

「全員が扱えるようにするということか?」

『今後霊具を用いて戦う場合に備えて、改めて霊具の使い方を学ぶべきだろうと考えてね……イズミには扱い方を似せるようお願いしてあるし、交流会の時に試しにやってみるのもいいかもしれない』

「そうだな……」


 ユキトは同意しつつ、


「他の霊具は?」

『現時点では索敵霊具一つだけだ。けれど、作り方のコツはわかったと、ここから作業ペースは早くなると言っていたよ』

「それは何よりだな……人員も集まりつつあるし、態勢はできつつある。敵が動いている様子がないのは不気味だが……」

『僕自身、裏で何かやっているとは思っているよ』

「……そうだな。敵も馬鹿じゃない。いや、邪竜は狡猾であり、俺達が戦う準備を済ませているという想定はしているはずだ」

『うん、もし魔物が大々的に動き出すとしたら、危険な兆候だ。可能であれば敵が次の一手を出す前に対処したいけれど……』


 ここでカイは一度言葉を止めた。


『ユキト、邪竜の目的は何だと思う?』

「目的? 力をつけて、支援者を集め……それから何をやるか、ということか?」

『そうだ』

「単純に考えるなら、俺達が召喚された世界で成しえなかったこと……世界の支配をこの世界でやろうとしている、とかじゃないか?」

『可能性は十分ある。ただ、邪竜はそれに留まるのか?』

「留まる……?」

『僕らが救ったあの世界へ舞い戻るなんて可能性は?』

「……俺達が召喚された以上、できるかもしれないってことか」

『うん、そうだ……とはいえ、これはあくまで可能性の話だけれど』

「そうなると、もしかしたら異世界へ戻るために何かしているかもしれない……と?」


 そうなったらどうなってしまうのか――ユキトは内心で様々な推測をしつつ、カイとの会話に没頭するのだった。


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