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【完結】幼馴染『剣聖』はハズレ職能『転職士』の俺の為に、今日もレベル1に戻る。  作者: 御峰。
四章『ソグラリオン帝国』

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第140話 不穏な占い

 俺達の前にいる彼女が二度目の占いを行い、諦めたように目を開ける。


 その顔には先程とは思えないくらい汗が流れている。


 一体何が見えたのだろうか…………まさか、俺達がこの国を攻めて来た側がバレたのか?


「……占いの結果が変わらない。という事は、これは事実なのでしょう…………申し訳ございません。料金はお返しします。どうか今回は失敗という事にしてくださいませ」


「えっ!? 待ってください! どうしてですか!?」


 フィリアが食いつく。


「…………想像以上に悪い結果になりました」


「っ!? ……………………聞かせてください」


「本当に宜しいのですか?」


「はい。私はこの先もずっと彼と共にいます。どんな苦境でも立ち向かえます」


 大きなため息を吐いて俺に視線を移した彼女に、俺も頷いて返事をする。


 肩を落とす彼女は、納得したように話し始める。


「まず、お客様の未来については決して漏らしませんのでご安心ください。では今回わたくしが見た未来(・・)をお伝えします。

 こことは違う、どこか遠い国のお城が見えました。それがお城なのかも分かりませんが、周囲の雰囲気からきっとお城なのでしょう」


 お城?


 アクアソル王国の王城なのだろうか?


「…………非常に言いにくいのですが………………」


 中々言葉を続けない彼女に俺達は不安を覚える。


 暫く口を閉ざしていた彼女がやっと口を開いた。


「そのお城は炎に包まれており、2つの軍が戦っております。そして――――――二人は――――――















 お互いに剣を向け合っておりました」


 その言葉にフィリアが立ち上がる。


「ありえない! わ、わたしが!」


 大きな声に周囲の人々からフィリアに視線が集まる。


「フィリア。落ち着いて。大丈夫だから」


「でも…………」


「もう少し詳しく話を聞いてみよう」


「うん……」


 フィリアを宥めて座り直すと、占い師が申し訳なさそうに話し続ける。


「わたくしにはよくわかりませんが、彼女は両手にそれぞれ違う剣を持ち、彼は小さな獣達と共に綺麗な剣を持って対峙しておりました。それが何を意味するのかはわかりませんが…………雰囲気から間違いなく、敵対(・・)して――――」


「もういいわ! これは占いだし、当たるはずがないわ!」


 そう言いながら、席を後にするフィリア。


 どこか逃げるかのように席を立つフィリアに、俺の心にも大きな不安を覚えてしまう。


「いえ……ありえません…………わたくしの占いは、一度()外れたことがないのですから……」


 彼女の言葉が耳に残り続ける。


 小さく会釈し、俺はフィリアの後を追った。


 きっと彼女も悔しいのだろう。逃げるかのように離れるフィリアを見た彼女は、後悔の表情を浮かべていたから。


 絶対外れない占い。


 それが俺の――――俺達二人の心に大きくのしかかった。




「フィリア!」


「ソラ!」


 すぐに俺の胸に飛んできたフィリアを優しく抱きしめてあげる。


「わ、わたしは――――」


「大丈夫。俺は絶対にフィリアと敵対しないし、いつまでも味方だし、これからもずっと――――」


「うん…………私も…………」


 通りをすれ違う人々を気にすることなく、俺達はお互いの肌のぬくもりを感じ合った。




 ◇




 大通りの外れた場所にあるお店で昼食を取り、王都アポリオンを歩き回る。


 広場付近はある程度見回り終えたので、今度は住宅区に入って行く。


 思っていた以上にまだ人通りが多い。


 というか、子供が多い。


 どの家からも子供が沢山出入りしているのを見ると、この国では子宝を重視しているのかも。


 住宅区には大通りとは違う店を時々見かける。


 生活用品を売っている店や、家族で座れそうな食事処が多いかな?


 それにしても、ここまで来ると孤児は見かけないな?


 意外と兵士も巡回していて、余程例の組織を気にしているのだろうなと思う。


 その時、家々の裏側から人の気配を感じる。


「フィリア」


「うん。私も察知したよ」


「これは……狙われているのかな?」


「みたいね」


 小さい声でフィリアと会話を交わしながら、彼ら(・・)をそのまま引っ付かせる。


「このまま裏路地に向かったらそれはそれで怪しむだろうからこのまま行こう」


「うん」


 観光のふりをしながら道を進み、どんどん人気がいない場所に歩いて行く。


 そこで少し声を大きく喋る。


「フィリア。ここから人気(ひとけ)がないから戻ろう? 見るモノもなさそうだし」


「そうだね~大通りにある甘いのもう一回食べたい~」


「あ~アイスクリームね。そうだね~俺も食べたいよ」


 来た道を引き返そうと振り向いた時、俺達を塞ぐ連中が現れた。


 中々の速さで俺達を囲う。


「え、えっと、俺達に何か用ですか!?」


「やれ」


 正面の男が手で合図を送ると、周りの者達が俺達を襲って来た。


「ま、待ってください! 俺達が何をしたというんですか!」


 そのまま彼らに拘束される。


「ソラ!」


「フィリア!」


 彼らは俺達の首の裏を叩いた。


 ここは事前の打ち合わせ通り(・・)気絶したふりをする。


 彼らは手慣れのように俺達を固縛して持ち上げると、どこかに向かう。


 あまりにも鮮やかな手口だったので、王国の者なのかも知れないと思ったけど、何となく中に不慣れ(・・・)な者も混じっているので、例の組織なのかも知れない。


 そのまま住宅区を更に奥に進んだ。

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