圧迫療法~包帯2~
このとんでもない包帯。
やはり効果は絶大なのである。
上手く巻けば、患者さんにとっては本当に心地良い圧迫になる。
しかし技術が必要である。
脚の形がはっきりと出るように、包帯をしっかりと密着させて巻き上げる。やはりゆるいと効果は落ちる。(巻き上げた時、フランスパンのような硬い感じになるのが良い)
圧加減は足首が一番圧が強く、脚の付け根にいくにしたがって徐々に圧が弱くなるように巻く。
そう巻くことでリンパ液を上へと運ぶのだ。
悪い例として、ある個所だけが極端に圧が強くなってしまったとする。
するとくいこんでるのと同じような感じになり、その箇所の下だけむくみがかえって悪化してしまう。
危険のない、圧バランスの整った、しっかりした包帯を巻けるようになるには練習が必要だ。
一朝一夕ではまず巻けない。最初は半時間以上、だれだってかかる。しかし何回も巻けば、必ず上手に皆さん巻けるようになる。ベテランになると15分以内に巻ける方も出てくる。
もちろん、ご自身で巻けるようになることが一番だが、ご家族の方にも巻いてほしい。
「こんなの、自分では絶対に無理!」
とおっしゃる方も多いが、よほどの事情がないかぎり絶対にできるようになる。
以外に、若い患者さんの方がそういう言葉が出てくるのが多かったりする。
大正生まれのお父さんなんかは
『ゲートル巻きやな。ようしたで』
とにやっと笑い、くるくると器用にとても上手に巻かれていた。
戦中、戦後を体験したあの世代の方々というのは本当に根性が座っていて、温室育ちである私たちの世代とは全然違う。
自分の身体のことは自分でしよう、という意識が当たり前として高い。
80、90の方でも、お元気であればご自身で巻かれる方はいる。
初診の際、包帯の巻き方を指導した年配のお父さんが二回目に来室したとき、ニコニコとして開口一番にこういわれた。
『銭湯にいったらな、みんなから「その足、どうしたんや?」ていわれたわ』
二十年以上、原因不明でむくみっぱなしにしていた脚である。その脚の状態を見慣れていた常連の銭湯仲間は急激に変化した脚を見て驚いたのだろう。
『包帯巻いただけや、って言ったったわ』
脚の周径値は前回の半分になっていた。激変、である。
お父さんは非常にうまく、しっかりと毎日ご自身で巻いてくださったのだ。
激変例の患者さんは、ご本人はもちろん嬉しいだろうが私もとても嬉しい。




